インタビュー

※掲載している内容は、2017年5月1日時点のものです。

毎年行われる税制改正、押さえるべきポイントは

このお役立ち情報「身近な税金のこと」は、新宿総合会計事務所の税理士伏木栄太郎が、皆様の税金に対する無用な心配を取り除き、安心した生活を送る一助となるよう、お届けします。

 今回のテーマは、「税制改正」です。
 先日、平成29年度税制改正法案が国会を通過し、成立しました。税制改正によって、軽くなる税金、重くなる税金が出てきます。そのため、積極的に節税意識をもち、必要以上に税金負担しないことが大切です。今回は平成29年度の税制改正の中から、個人に関係する主だった4つの税制改正項目をご紹介します。

■所得税

(1)配偶者控除等の見直し

 経済活性化のカギを握る“働き方改革”が叫ばれるなか、この配偶者控除等の改正は注目を浴びていました。
 しかし、フタを開けてみると、改革からほど遠く、従来の控除額に若干の上積みがなされただけに留まっています。改正後の配偶者控除等の控除額は次の通りです。

(単位:万円)
税制改正後 世帯主の年収
1,120万円以下 1,170万円以下 1,220万円以下 1,220万円超
配偶者の年収 201万円超 0 0 0 0
201万円以下 3 2 1 0
190万円以下 11 8 4 0
175万円以下 21 14 7 0
160万円以下 31 21 11 0
155万円以下 36 24 12 0
150万円以下 38 26 13 0
(注)所得税制では、配偶者控除と配偶者特別控除に分れていますが、分りやすさから両方を合わせて記載し、「配偶者控除等」としています。

 現行の配偶者控除等は、世帯主の年収が1,120万円でかつ配偶者の年収が103万円以下の場合、控除額最高38万円です。また配偶者の年収が141万円以上で控除額がゼロになるよう、段階的に逓減する設計となっていますが、その配偶者の年収のボーダーラインが201万円に引き上げられます。他方で、上表のように、配偶者の年収に世帯主の年収でも段階的に逓減するような仕組みがプラスされ、世帯主の年収が1,120万円以下の場合の配偶者控除額38万円から逓減し、1,220万円超で配偶者控除等の適用はできないことになりました。
 なおこの取扱いは、平成30年分以後の所得税について適用されます。

(2)積立型NISAの創設

 株や投資信託などの配当や売却益を非課税とする「NISA(ニーサ)制度」は平成26年に開始されました。
 現行NISAの口座開設数は、平成28年末時点で約1,069万、買付額は平成29年3月末には10兆円に到達したようですが、日本の家計金融資産1,800兆円のうち、その半分は預貯金に眠ったままと言われており、「貯蓄から投資」へは道半ばです。
 今年の税制改正では、金額を少額にすることで投資になじみの薄い人や、投資に回すお金が限られる若年層を取り込むことを狙いとして、以下の「積立型NISA」が創設されました。この「積立型NISA」は現行のNISAとのいずれか選択制で、平成30年の投資よりスタートします。

項目 積立型NISA 現行NISA
年間の投資上限額 40万円 120万円
非課税期間 20年間 5年間
累計最大投資額 800万円 600万円
口座開設
可能期間
20年間(平成30年~49年) 10年間(平成26年~35年)
投資対象商品 積立・分散投資に適した一定の
公募等株式投資信託
上場株式・
公募株式投資信託等
投資方法 定期かつ継続な方法で投資 制限なし
※平成26年、27年は上限が100万円。

■相続税・贈与税

(1)タワーマンションの評価の見直し

 タワーマンションと呼ばれる都市部の高層マンションの時価は眺望の良い上層階の方が低層階よりも高いにもかかわらず、相続税評価額は床面積が同じであれば、その評価額は同額でした。そのため富裕層のための節税策などと言われていましたが、今後は上層階を所有する人ほど税負担が重くなります。今回の改正では、固定資産税にメスが入ったと言えます。
 平成29年4月以降に販売される20階建て以上の新築マンションを例にしてみましょう。中間の階は現行と同じにして、1階上がるごとに固定資産税を約0.26%ずつ増やし、逆に1階下がるごとに約0.26%ずつ下げることになります。今のところ既存のマンションには新ルールは適用されません。
 そして、来年の税制改正大綱には、相続税についても上層階の負担を重くすることが盛り込まれるようです。固定資産税は毎年の負担となるため小幅な改正でしたが、相続税については、上層階と下層階の差をもっと大きくすべきとの声も出ているようで、その動向には注意が必要です。

(2)国外財産に対する相続税等の納税義務の見直し

 租税回避を抑制するため、相続人等又は被相続人等が10年以内(改正前は5年以内)に国内に住所を有する日本人の場合は、国内及び国外双方の財産を課税対象とすることになりました。
 海外には相続税がゼロの国があります。それらの国に財産を移すとともに、5年間の移住暮らしに耐えれば、晴れて日本の相続税を免れる、といったスキームを実行する人もあったようですが、この改正でその移住期間が10年に延びることになります。
 なお、この取扱は、平成29年4月以降の相続または贈与に適用されます。

 参考までに酒税に関して、少し先ですが、「ビール・発泡酒・第三のビール」ならびに「ワイン・チューハイ・ハイボール」に係る税額が次のように改正されています。

350mlあたり 現行 2020年10月 2023年10月 2026年10月
ビール 77円 70円 63.35円 54.25円
発泡酒 46.99円 46.99円 46.99円 54.25円
第三のビール 28円 37.8円 46.99円 54.25円
日本酒 42円 38.5円 35円 35円
ワイン等 28円 31.5円 35円 35円

身近なもので税制改正の対象となっていることがおわかりいただけましたでしょうか。 ご自身に関連が高いポイントを押さえて、節税対策に活かしましょう。

税理士法人 新宿総合会計事務所 税理士 伏木 栄太郎さん

お話をうかがった方

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伏木 栄太郎さん

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※掲載している内容は、2017年5月1日時点のものです。

※本稿は、各々の分野の専門家に作成いただいております。 本稿の内容と意見は各々の筆者に属するものであり、当社の公式見解を示すものではありません。

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