インタビュー

※掲載している内容は、2016年10月1日時点のものです。

現金をモノに変えることによる節税効果

相続において大事なことは何か?については「節税」「分割」「納税」であると、この連載の第5回「円満な相続のための大切な“3つのキーワード”」においてご説明いたしました。相続税の基礎控除が縮小されて、大増税時代を迎えたためか、なかでも「節税」について皆様の関心が高いようです。今回は相続税において、節税となるであろう事例について紹介いたします。

■お金がモノに変わることでの評価減

 相続税を算出するためには、お亡くなりになった方の財産をその種類ごとにそれぞれ評価する必要があります。「相続財産は原則、時価で評価する」ことになりますが、不動産や未上場株式などは、時価を算出しにくいものが多いため、実務上その評価方法は『財産評価基本通達』で定められた計算方法によって算出されます。
 そこで、お亡くなりになった方が(A)現金5千万円を持っていた場合、(B)5千万円で土地を購入していた場合、を例に考えてみます。(A)の場合、現金5千万円がそのまま評価額になります。
 対して(B)の場合はどうなるでしょう。
 財産評価基本通達による土地の評価は、路線価方式などで行うこととされており、概ねその評価額は市場価格の8割程度に設定されています。と言うことは、相続のタイミングで現金が土地という財産に変わっているだけで、評価方法の違いにより評価額を約2割も圧縮することができます。
 これは家屋についても同じことが言えます。土地に比べて家屋の方が時価と相続税評価額の開きが大きく、家屋の構造にもよりますが、購入した瞬間に評価額が3割から4割圧縮されることも珍しくありません。

■貸すことによる評価減

 さらにその不動産を他人へ賃貸することにより、時価と相続税評価額の開きがますます大きくなって相続税の節税効果が高くなります。これは税務上、賃貸している財産は、相続人の自由度が低くなると考えられ、その分が評価の上では差引かれているからです。
 具体的には、アパートなどの賃貸物件が建てられている土地については約2割、賃貸されている家屋については3割の評価減があります。

種類 時価 相続税評価額
購入時 賃貸時
現金 100 100 -
土地 100 80 64
家屋 100 60~70 42~49
※家屋の相続税評価額はその構造によりばらつきがあります。

 他にも、賃貸物件が建てられている土地は、小規模宅地等の減額制度の適用があり、面積の制限はありますが、200㎡まで50%減額することが可能です。このように現金を賃貸物件に組み替えることにより、税務上では様々な節税に関するメリットが生じます。
 一方では現金とは違い、土地、家屋には不動産取得税、固定資産税が課せられます。さらに、賃貸物件からの収入によって得られる税引き後の現金増加合計額(長い年月賃貸した場合)があります。これらが相続税におけるメリットを吸収してしまわないかなどは絶えずチェックする必要があります。
 そして節税策であるからといって、余裕資金を全て物件の取得に充ててしまうことや無理な借入での賃貸アパート等の建築は、本末転倒な結果になりますので、どのくらいの節税を目指すのか、どんな物件が適しているのかは慎重に判断すべきでしょう。

■生命保険金等の非課税金額

 また現金の状態で相続を迎える場合と、生命保険に加入して「生命保険契約」のかたちで迎える場合では納税額に開きが生じてきます。
 それは相続人が死亡保険金を受け取った際には、「法定相続人の数×500万円」の非課税枠が適用できるからです。その限度額に受取保険金が達していなければ、一考すべきでしょう。
 生命保険の活用については、第9回をぜひご参照ください。
■参照:第9回「相続対策に有効な生命保険活用術」

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※掲載している内容は、2016年10月1日時点のものです。

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