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医師が紹介する健康づくりのお話

第2回 がんを引き寄せないための生活習慣

東京国際クリニック 腫瘍内科 兼村 俊範 医師

東京国際クリニック
腫瘍内科

兼村 俊範 医師

■がんのリスクを高めるのは家系や遺伝などよりも生活習慣

現段階で、「これをやっておけば、がんにならない」という画期的なものは、残念ながらありません。たとえば、たばこを吸わなければ肺がんにならないかと言えば、そんなことはない。ヘビースモーカーでもがんにならない人はいます。同様に、肉ばかり食べる人は大腸がんになりやすいと言いますが、普段あまり肉を口にしない人でも、がんになる可能性はあるわけです。

ただし、がんになりやすい生活習慣はあると言われています。生まれ持った体質などよりは、むしろ習慣の影響が大きい。遺伝するがんというのは比較的まれです。健診で「身内にがんの人はいますか?」と訊くことがありますが、これはその人の育った環境を参考までに確認する、といった程度のものです。同じ生活習慣のなかで、同じ食事をしてきた家族にがんの人がいるならば、あなたも気をつけて様子を見ておきましょう、という感じです。

■免疫が落ちると、がん細胞に増殖のチャンスを与えてしまう

実は、がん細胞は、 誰にでも、毎日ものすごい勢いでできていることをご存じですか?そして、それらをやっつけようと、様々な免疫が働いていて、体内では「がん細胞」と「免疫細胞」のものすごい戦いが常に起こっているわけです。

だから大きなストレスを受けたり、何らかの理由によって免疫の働きが落ちると、がん細胞が免疫の機構をスーッとすり抜けてそのまま増殖してしまい、「がん」という塊を築いてしまうことになるかもしれないのです。

「免疫を上げれば、がんにならない」と断言はできませんが、自分の免疫を落とさないように、できるだけストレスをためないとか、規則正しい生活を心がけることは間違っていないと思います。

■検査で見つかりやすい乳がんは完治の確率も高い

がんという病気は難しいもので、部位によって性質も治療方法も千差万別です。検査で見つかりやすいがん、見つかりにくいがんというものもあります。

検査で見つかりやすいがんの代表格は、乳がんです。乳がんは、ご自分でしこりに気がつかれたり、健診などの検査で発見されることが多いので、初期段階で見つかれば、治癒する確率は高く、完治しなくとも適切な治療で5年、10年と長期に生活していくことが可能なことも多いのです。ですから、定期的に健診を受けていることが大切になってくるでしょう。40歳を過ぎたら、ぜひ年一回は健診を受けていただくことをお勧めします。

逆に見つかりにくいがんの代表は、すい臓がんです。すい臓は、胃のちょうど裏側ぐらいにあるので、症状も出にくく、健診などの超音波検査では、お腹に脂肪がついている方だと見づらくなります。その場合はさらに踏み込んだ検査が必要になります。

■がんになった「その後」を考えておくことが大切

こんな話をすると、皆さん心配されて、「地元の健診では不十分ですか?」「がん健診はどのくらいの頻度で受けたほうがいいのですか?」と聞かれることも多いのですが、これもまた、ひとくちには言えないものです。どんな健診を受けるか、また、その頻度については、私はその人の心配の度合いによって決めるのでいいと考えています。健診にはお金もかかりますし、なかにはきつい検査もありますから。年一回、決まった時期に行えば、忘れなくてよいかもしれません。

どちらかというと、考えるべきは「がんが見つかった後」のことです。たとえば、いつも行っている病院で異常が見つかったとします。それでその病院の先生が「これは○○のがんかもしれないから、この病院でよく調べてもらって下さい」と紹介状を書いてくれる。しかしそこで出てくるのが「本当にそこの病院でいいのか?」とか「その治療方法でいいのか?」という疑問です。セカンドオピニオンも有効ですが、結局、最後は自分で決めなくてはいけないのが現実です。

そこで大事なのは、一人で決めないで、家族でも知人でも、複数の人から話を聞いて情報を集めることです。有名な教授だから、いい先生とは限りません。“2人に1人はがんになっている”という時代ですから、身近なところでがんを経験している方がいることも多いはずです。また、がん患者数は増えていますが、克服した人の数も増えています。そうした人たちの話から、本当に自分にあった医師を見つけることもあるのです。

「がんになっても、きちんと治療をしながら、最期まで自分らしく生きていく」ことが大事なことだと思います。

  • ※掲載している内容は、2016年2月16日時点のものです。
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