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医師が紹介する健康づくりのお話

第1回 健診の数値だけでなく生活習慣や食生活にも注目を

東京国際クリニック院長・循環器科 高橋 通 医師

東京国際クリニック
院長 ・ 循環器科

高橋 通 医師

■先制医療の大きな要となるのは食事のありかた

病気になる要因は様々ですが、食生活の乱れや体重の増えすぎが、心疾患や脳梗塞、糖尿病など重い病気の発症率を高める大きな要因になっていることは確かです。昔は「成人病」という言葉がありましたが、現代では若くして心筋梗塞や糖尿病などを発症するケースも増え、今では「生活習慣病」と呼ぶようになりましたね。やはり大切なのは、毎日の食べものと、体を動かすことではないかと思います。

当院で力を入れていることのひとつ、「先制医療」は“病気になる前に先手を打つ”という点において、東洋医学でいう「未病」と考え方は同じです。当院の人間ドックでは、数値の把握だけでなく、普段の生活習慣をデータ化したり、発症リスクを調べる検査を取り入れたりして「将来的に体がどうなっていくか?」を判断していきます。そのため、健診後の栄養指導や生活指導などを重視します。中でも一番の基本は「食事」と言っても過言ではありません。必要な食事や栄養は人によって異なりますから、食事の内容と食べ方がその人に合っているかが重要です。

■抗酸化物質の豊富な食べものと、血糖値を急上昇させない食べ方

先制医療の視点に立ったとき、食事の内容に関して言えば、抗酸化物質を多く含むものを積極的に摂るのが良いでしょう。たとえばブロッコリーなどの緑黄色野菜、にんにくなど匂いの強いものは、抗酸化物質を多く含みます。

食べ方の面では、野菜などの食物繊維、肉や魚などのたんぱく質から食べ始めて、最後に炭水化物などの糖質をとるという“血糖値を急上昇させない”食べ方が基本です。もちろん、こうした食事ひとつとっても、その人一人ひとりに合っていることが重要で、それを「個別化先制医療」と呼びます。

■有酸素運動と筋肉をつける運動

体を動かすという点では、ウォーキングなどの「有酸素運動」と、筋肉をつける運動…「レジスタンス運動」と言いますが、この2つを意識すると良いでしょう。適度の筋肉量を保っていないと、基礎代謝が落ちてしまう。基礎代謝が落ちるということは、それだけさまざまな病気にかかりやすくなるということです。血管系の持病があって運動制限がある方は別ですが、足腰が悪くないのであれば、エスカレーターではなく階段を使うことを意識するだけでも違います。

数日間、体を動かさずにいると、とたんに足があがらなくなると感じたことはありませんか?筋肉量は思っている以上に、すぐ落ちてしまうものです。自分の健康状態をチェックする意味でも、日々、階段を使うのは良いことです。

体を動かすとき、意識していただきたいのは「じわっと汗をかくくらいの運動」。息が切れたり、苦しくなるような運動は逆効果です。適切な運動量には個人差がありますので、ひとつの目安にしてください。

■50~60代になったら心臓や血管の定期的な検査を

どんなに食事に気を遣っても、運動の習慣があっても、年齢とともに動脈硬化などの病気は起きやすくなります。50代~60代の方ならば、やはり心臓や血管の検査を定期的に受けるのがベストです。健診後の健康指導も昔とはずいぶん変わりました。たとえばコレステロール値の高い方に対し、昔は「油ものは控えなさい」と指導していました。しかし今では、「良質な油を摂りなさい」と指導されます。「不飽和脂肪酸」という言葉を聞いたことはありませんか?魚や大豆製品、オリーブオイルなどに多く含まれますが、これも動脈硬化の抑制につながります。

■健診の数値には表れない、「普段の生活」に改善のヒントがある

あなたの身の回りに、「けっこうな量を食べているのに、太らないし、健康な人」はいませんか?そういう人 の食生活をよく見ていると、じつはいろいろな食材をバランスよく食べていたり、食べる順番が適切だったりするものです。逆に「食事に気をつけているのに、体調が悪い」という人は、実は間食が多かったり、運動が足りていないことがあったりします。そうした問題はなかなか健診の数値には表れてきませんから、当院の人間ドックでは、普段の生活スタイルを問診でていねいに拾っていくようにしています。

最後に、誰でも簡単にできることとして「体重計に乗る」「メモしておく」ことをおすすめします。私自身も習慣にしていますが、毎日体重計に乗っていると、少し太ったかな、そういえばベルトがきつくなったなと思うことがありますから、そうしたら2~3日でもとに戻すようにしています。自分の「普段の状態」をよく知っておくことが、体の異常に早めに気づくことにもつながります。

  • ※掲載している内容は、2016年2月16日時点のものです。
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