持病があっても入れる保険は?選び方やメリット・デメリットを解説

持病があると「保険に入れないのでは」と不安に思う方は少なくありません。しかし、持病があっても加入できる保険はあります。
この記事では、持病があっても入りやすい保険の種類やそれぞれのメリット・デメリット、選び方のポイント、注意点について解説します。
「持病」とはどのような病気を指す?
持病とは、完治しにくく、長期間または慢性的に治療や管理が必要な病気のことです。慢性疾患や基礎疾患とも呼ばれます。持病の例としては、胃腸病、高血圧症、高脂血症、リウマチ、肝臓病、腎臓病、心臓病、糖尿病、ぜん息などが挙げられ、これらの病気を抱えている場合、一般的な医療保険や死亡保険では加入を断られることもあります。
しかし、持病があったとしても保険に加入できないわけではありません。告知項目が少ない引受基準緩和型保険や、健康状態の告知が不要な無選択型保険などがあり、自分の健康状態に合った保険を選ぶことで、将来のリスクに備えられます。
持病があっても入りやすい保険の種類
持病があっても入りやすい保険には、主に以下の2つの種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った保険を選びましょう。
| 保険の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 引受基準緩和型保険 | 告知項目が少なく、加入対象の範囲が広い |
| 無選択型保険 | 健康状態の告知や診査が不要で、健康状態を問わず申し込める |
持病があっても入りやすい保険のメリット・デメリット
持病があっても入りやすい保険には、引受基準緩和型保険と無選択型保険があります。それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
引受基準緩和型保険のメリット・デメリット
引受基準緩和型保険は告知項目が少なく一般の保険より引受基準が緩和されているため、持病がある方も申し込みやすい保険です。メリット・デメリットは下記のとおりです。
引受基準緩和型保険のメリット
引受基準緩和型保険のメリットは、告知項目が少ないことです。一般的な保険では健康状態について詳しく告知する必要がありますが、引受基準緩和型保険では3~5項目程度の簡単な質問に抑えられています。また、持病や既往症があっても、条件を満たせば保障を受けられる場合がある点も特徴のひとつです。
一般的な保険に比べて加入のハードルが低いため、これまで保険加入をあきらめていた方でも検討しやすい保険といえるでしょう。
引受基準緩和型保険のデメリット
引受基準緩和型保険は、保険料が一般的な保険より割高になる点がデメリットです。また、保障内容が限定されやすく、特約の選択肢も少ない傾向にあります。さらに、加入してから一定期間は保険金・給付金が削減される支払削減期間が設けられているケースもあるため、加入前に確認しておくことが大切です。
無選択型保険のメリット・デメリット
無選択型保険は、健康状態の告知や診査が不要で、健康状態にかかわらず申し込みが可能な保険です。メリット・デメリットは下記のとおりです。
無選択型保険のメリット
無選択型保険のメリットは、健康状態の告知や医師の診査が不要な点です。持病の種類や程度にかかわらず申し込めるため、引受基準緩和型保険でも加入が難しい方にとっての選択肢になります。
また、手続きがシンプルで、申し込みから契約までの手続きがスムーズな点もメリットです。告知や診査がないため、審査にかかる時間が短くなっています。
無選択型保険のデメリット
無選択型保険のデメリットとして、一般的な保険や引受基準緩和型保険と比べて、保険料が高額になりやすい点が挙げられます。健康状態を問わず加入でき、保険会社の負うリスクが大きくなるからです。
また、引受基準緩和型保険と同様、契約から一定期間は保険金・給付金が削減される支払削減期間が設けられている場合があります。この期間中に保険金の支払事由が発生した場合、受け取れる金額は通常より少なくなるため注意が必要です。
さらに、引受基準緩和型保険と比較しても保障内容に制限が多く、死亡保険・医療保険ともに選択肢が少ない傾向にあります。
持病があっても一般的な保険に入れる場合もある
持病があっても、特別条件付きで一般的な死亡保険・医療保険に入れる場合もあります。条件は保険会社によって異なりますが、以下のような点が挙げられます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 特定疾病不担保、特定部位不担保 | 持病や過去の病歴に関連する特定の病気や身体部位について、保障を一定期間または保険期間全体で除外する |
| 特定障害不担保 | 特定の障害状態になった場合、その障害に関する保険金や給付金の支払い、または保険料払込免除を受けられない |
| 保険金削減 | 一定期間に保険金の支払事由が生じた場合、所定の割合だけ保険金が削減される |
| 特別保険料 | 保障内容は同一でも、リスクに応じて保険料が割増される |
一般的な保険は、特約を含めた保障の選択肢が豊富で、幅広くカバーできます。加入を検討する際は、持病の内容や健康状態に応じて、複数の保険を比較・検討することが大切です。
持病のある方が保険を選ぶ際に確認しておきたいポイント

持病のある方が保険を選ぶ際には、確認しておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、保険選びで確認すべき4つのポイントについて解説します。
告知項目の内容
持病がある場合には、保険を選ぶ際に告知項目の内容を確認するようにしましょう。どの程度の告知が必要かは、保険商品によって異なります。
引受基準緩和型保険は一般的な保険よりも告知項目が少なく、持病があっても加入しやすいのが特徴です。ただし、その分保険会社のリスクが高くなるため、保険料は割高になりやすく、保障内容が制限されることもあります。また、無選択型保険は健康状態の告知が不要な分、引受基準緩和型保険よりも保険料が高くなる傾向にあり、保障範囲もより限定的です。
支払削減期間の有無
支払削減期間の有無も、持病のある方が保険を選ぶ際に確認しておきたいポイントです。加入後1~2年程度の一定期間は、保険金・給付金が削減される支払削減期間が設けられている保険もあります。
支払削減期間中に保険金・給付金の支払事由が発生した場合、受け取れる金額は通常よりも少なくなります。支払削減期間を過ぎると通常の金額に戻るため、加入前に期間の長さや削減される割合をしっかり確認することが重要です。
保険料と保障のバランス
持病のある方が保険を選ぶ際に確認しておきたいポイントとして、保険料と保障のバランスも挙げられます。特に無選択型保険は、引受基準緩和型保険と比べても保険料が高額になりやすいため、注意が必要です。
また、保険料だけでなく、実際に受け取れる保障額や保障対象の範囲も含めて、総合的に判断しましょう。長期間にわたって支払い続けられる保険料かどうかを慎重に検討することが大切です。
保障対象の制限
持病に関する治療や入院が保障対象外とされるケースもあるため、持病の状態と保障範囲を確認し、判断する必要があります。特に、現在治療中の病気や過去に治療した病気については、保障の対象となるかどうかを事前に確認しておきましょう。
持病のある方が保険に加入する際に注意したいこと
持病がある方が保険に加入する際には、いくつかの注意点があります。ここでは、保険加入時に特に気をつけたい3つのポイントについて解説します。
まず一般的な保険を検討する
持病のある方は、引受基準緩和型保険や無選択型保険を検討する前に、一般的な保険に加入できるかを確認してみましょう。過去に治療した病気があっても、内容や経過によっては保険に加入できるケースもあります。保険会社によって引受基準が異なるため、複数社に相談することで、加入できる保険が見つかる可能性も高まります。
正しく告知する
虚偽の申告や情報の隠蔽は、保険金・給付金を受け取れなくなる可能性があります。告知義務違反があった場合は契約を解除されて、いざというときに保障を受けられなくなるかもしれません。不安な点や判断に迷う点があれば、保険会社に確認しながら正しく告知しましょう。
定期的に保障内容を見直す
健康状態に応じて、保険を見直すことも大切です。条件が改善すれば、より良い保険に乗り換えるチャンスもあります。たとえば、持病の治療が終了したり、健康状態が安定したりした場合には、一般的な保険に加入できる可能性もあります。定期的に自分の状況を確認し、最適な保険を検討することが大切です。
持病があっても自分に合った保険を選び、将来に備えよう
持病があっても入りやすい保険には、引受基準緩和型保険と無選択型保険があります。また、特別条件付きで一般的な死亡保険・医療保険に入れる場合もあるため、引受基準や保障内容を比較し、自分に最適な保険を見つけましょう。
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B2-25-J-0211(2025.12.23)

ファイナンシャル・プランナー
辻田 陽子 さん
FPサテライト所属ファイナンシャル・プランナー、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種、日商簿記2級。
税理士事務所、金融機関での経験を経て、FP資格を取得。それぞれのライフイベントでのお金の不安や悩みを減らし、人々がより豊かで自由な人生を送る手助けをすべく活動中。
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