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いざというときのお金のこと

【FP監修】死亡保険金の受取人は誰を選ぶ?税金から保険金の受け取り方まで解説

書類とボールペンと電卓

「死亡保険金の受取人は誰を指定してもいいの?」
 「保険の受取人を変更したいが、問題ないだろうか?」

保険を見直していて、このような疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。死亡保険金の受取人は、保険料を払った人と同一なのか、異なるのかなどの契約形態によって課税される税目が異なるのです。

この記事では、死亡保険金の受取人について、対象となる人や課される税金を分かりやすく解説していきます。

死亡保険金の受取人に指定できる範囲・対象とは?

団らん

まず保険における「受取人」に関係する人(立場)を紹介します。

契約者 保険料を支払う人
被保険者 保険の対象となる人
受取人 保険金を受け取る人

父、母、子の3人家族を例にとって考えてみましょう。

父が「自分に万が一のことがあった場合、子に保険金を遺したい」という場合は、契約者・被保険者を「父」、受取人を「子」という契約形態を取るのが一般的です。

一方で、父が「母に何かあったら心配だから、保険に加入し、保険金を子に遺せるようにしよう」と考えている場合はどうなるでしょう。この場合、契約者が「父」、被保険者が「母」、受取人が「子」となります。

このように契約者および被保険者の意向によって決まりますが、受取人とできる人物の範囲には原則があるのです。

法定相続人

基本的に、法定相続人である「配偶者」および「親、子」「兄弟姉妹や孫」(2親等以内の親族)は、保険金受取人に指定できます。では、3親等となる人物はどうなのでしょうか。

3親等に当たる「おじ・おば」「甥・姪」は、生計を一緒にしておらず、死亡保険の被保険者に何かあっても影響が少ないケースが多いでしょう。こうした観点から、3親等は受取人に指定できない保険会社もあります。ただ、2親等以内親族がいない場合、亡くなった後の葬儀や手続きを甥・姪等に頼みたいと考える人もいるのではないでしょうか。

SBIいきいき少額短期保険の死亡保険では、受取人におじ・おば、甥や姪を指定可能です。「2親等以内で保険金の受取人に指定したい人がいないが、3親等以内であれば見つかる」という人は、加入を検討してみてはいかがでしょうか。

血縁関係のない第三者

内縁関係にある人や同性のパートナーを指定したいケースではどうでしょう。死亡保険は「被保険者の死後、遺された人が困らないように」という役割があるため、生活を共にしてきた人であれば保険金を受け取る権利がある、という考え方が一般的です。

昔に比べ最近では、血縁関係のない人を受取人に設定できる保険会社が増えてきています。しかし、指定するには所定の条件をクリアする必要がある場合があります。

SBIいきいき少額短期保険の場合は、次の4つの条件を満たせば血縁関係のない第三者を受取人に指定することが可能です。

ただし、法定相続人ではない人が保険金を受け取り、基礎控除額を超えると、相続税額が2割加算されます。あらかじめ受取人とも情報を共有しておきましょう。

受取人がいない場合

「保険金の受取人を配偶者にしていたが、配偶者が被保険者より先に亡くなった」という場合は、直ちに受取人の変更をしておきましょう。もし変更手続きを忘れたまま被保険者に万が一のことが起きた場合は、「受取人の相続人」が保険金を受け取ることになります。

注意点は、保険金を受取可能なのは「保険金の受取人の相続人」であり「被保険者の相続人」ではない点です。

たとえば、死亡保険の被保険者(Aさん)とその配偶者(Bさん)、Aさん・Bさんともに血縁関係のない第三者である死亡保険金受取人(Cさん)がいたとします。
仮に受取人(Cさん)が被保険者(Aさん)より先に死亡し、受取人の変更が行われていない場合、保険金を受け取る権利は、受取人に指定されていた人(Cさん)の相続人だけにあるのです。BさんはAさんの配偶者でありながら、保険金を受け取れない可能性が高くなります。

受取人によって死亡保険金へかかる税金の違いを図解

貯金箱とお金

死亡保険金は誰が受け取るか、誰が契約者であったか、保険料は誰が支払っていたかで、課される税目が異なります。

ここでは、子が1人いる夫婦を例に挙げて解説していきます。

夫
妻
子

契約者:夫、 被保険者:夫、 受取人:妻の場合は「相続税」

契約者 被保険者 受取人
契約者
被保険者
受取人

「自分に何かあった際、妻が心配だ。死亡保険に加入して、妻の生活が困らないように備えたい」

夫が死亡保険を契約し、被保険者も夫、受取人だけ妻の場合は「相続税」が課されます。

相続税が課される場合、「500万円×法定相続人の数」の式で非課税枠を計算します。このケースでは、1,000万円までの保険金は相続税の対象外です。

契約者:夫、 被保険者:妻、 受取人:夫の場合は「所得税」

契約者 被保険者 受取人
契約者
被保険者
受取人

「妻に万が一のことがあった際に備えて、死亡保険に加入しておこう」「保険の控除枠を活用するため、被保険者を妻にして、保険に入ろう」

契約者と受取人が同一で被保険者が違う場合は、保険金が「一時所得」と見なされるため、一時所得の特別控除に当たる50万円を引き、さらにその半分の金額が「所得税」の対象となります。

所得税の場合は、非課税枠がありません。保険金が所得と合算され、所得に応じた税金が課されます。この契約形態の場合は、課される所得税についてあらかじめ計算しておくことをおすすめします。

契約者:夫、 被保険者:妻、 受取人:子の場合は「贈与税」

契約者 被保険者 受取人
契約者
被保険者
受取人

契約者、被保険者、受取人がそれぞれ違う場合の保険金は、「贈与税」の対象です。

「妻にもしものことがあったら、子が保険金を受け取れるようにしたい」と夫が死亡保険に加入したケースでは、保険金に贈与税が課されます。保険料を支払った人ではなく、第三者がお金を受け取ることになるため「贈与」が発生したと見なされるのです。

所得税と同様、贈与も非課税枠は適用されません。ただし、贈与税には基礎控除があります。年間110万円までは課税対象外となるため、保険金から110万円を引いた額に課税されます。

受け取った死亡保険金に課せられる税目

TAX

同じ死亡保険でも、契約形態によって保険金に課せられる税目が変わることを説明しました。誰がお金を払って、誰が受け取るのか、お金の流れをイメージしながら考えると、わかりやすいでしょう。

相続税、贈与税、所得税の中で、同じ金額の保険金額を受け取った場合に、税金の負担が重くなりがちなのは贈与税です。相続税と贈与税の決定的な違いは「どのタイミングで発生するか」という点で、相続税は亡くなった人がいて初めて発生しますが、贈与税は贈る人と受け取る人の合意があればいつでも発生するのです。

死亡後の相続税対策で生前に贈与が行われる想定から、税の均衡を保つために贈与税の税率が高く設定されていると考えられています。ただ、110万円分の基礎控除があるとはいえ、税率の高さは気になるところでしょう。

現在加入している保険の受取人は、誰に設定されているのかきちんと把握できていますか?同じ額の死亡保険金でも、契約形態によっては課される税金が異なります。可能な限り税負担が軽く済むように、しっかり確認しておきましょう。

死亡保険金の受取人変更方法の例を紹介

書類に記入する

死亡保険金の受取人の変更手続きは、4つのステップで完了します。ここでは、「SBIいきいき少短の死亡保険」を例にとって説明します。手続きは保険契約者自身が行います。

返送した書類の内容に不備がなければ、これだけで死亡保険金の受取人が簡単に変更できます。死亡保険金は遺された人たちのためのお金です。スムーズに受け渡せるよう、必要な手続きは早めに済ませておきましょう。

死亡保険金の受け取り方を知っておこう

SBIいきいき少短の死亡保険

受取人の変更方法を説明しましたが、ここでは実際に保険金を受け取る際の方法を解説します。受取人自身、そして保険金を遺してくれた人のためにも、正しい受け取り方を知っておきましょう。

SBIいきいき少額短期保険の死亡保険で保険金を受け取る際は、通常のサポートセンターではなく「保険金・給付金受付センター」へ連絡します。連絡後、請求に必要な書類が送られてくるため、「必要な書類の添付」「必要事項の記入」をして返送してください。

死亡保険金の請求に必要な書類は以下の通りです。

なお、被保険者の住民票は、発行から3か月以内のものが必要です。
また、必要に応じて一部の書類の提出について省略を認めること、上記以外の書類の提出を求めることがあります。

死亡保険金の受取人は自分の将来をイメージしながら選ぼう

同じ死亡保険金であっても、契約者、被保険者、保険金の受取人が異なる場合は、課される税が異なります。税率が比較的低めなものは相続税、高いものは贈与税という見方が一般的です。

保険金の受取人は、現在どなたになっていますか?よかれと思って加入したものの、契約内容によって重い税率が課されたり、受け取った人に負担をかけたりすることは本望ではないでしょう。

受け取る人の立場や、渡す目的などをイメージしながら保険を選んでみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャルプランナー 畠中 雅子 さん

監修者プロフィール

ファイナンシャル・プランナー

畠中 雅子 さん

大学時代にフリーライター活動をはじめ、マネーライターを経て、1992年にファイナンシャル・プランナーになる。
新聞・雑誌・ウェブなどに多数の連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。
教育資金アドバイスを行う「子どもにかけるお金を考える会」、高齢者施設への住み替え資金アドバイスを行う「高齢期のお金を考える会」、主にひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」を主宰している。
著書は、『貯蓄1000万円以下でも老後は暮らせる!』(すばる舎)、『息子、娘が中高年ひきこもりでもどうにかなるって本当ですか?』(時事通信社)ほか、70冊を超える。
プライベートでは、社会人の娘と息子、大学生の息子の3人の子どもの母。

  • ※掲載している内容は、2022年9月27日時点のものです。
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