お葬式・お墓の'いろは'
第4回 ちょっと気になるお葬式の規模と形式
ご家族がお亡くなりになり葬儀を執り行う場合、まずは葬儀について葬儀社と打ち合わせを行うことになります。
- ①お葬式の規模(会葬者の人数)
- ②形式(宗教葬又は無宗教葬)
- ③喪主の決定・宗教者の手配
- ④お葬式の執り行う場所・日程など
葬儀の場合、このような様々な事項を短時間で決めていかなければなりません。その時に慌てないためにも、今から葬儀のことを少し考えてみてはいかがでしょうか。
今回のコラムでは、これらのうち、規模について家族葬に関するご質問にお答えするほか、形式に関するご相談ついてもお答えしていきたいと思います。
Q1.先日友人が「私のお葬式は、身近な人だけが集まる家族葬にする」と言っていましたが、“家族葬”とはどのようなお葬式なのでしょうか?
A1.家族葬とは「家族や家族の様に親しくお付き合いをしていた方が参列されるお葬式」と一般的にいわれています。定義は各葬儀社で異なりますが、参列される人数をご遺族が把握しているのが、「家族葬」と言えます。
今では、ご遺族から「葬儀は家族葬で」というお申し出をいただくことが増え、「家族葬」がかなり浸透してきたように思います。「家族葬」という言葉が使われだしたのは、およそ10数年前。葬儀に参列して欲しい人を故人自ら、エンディングノートなどに記入し、生前に自分の意思で葬儀を考える方々が家族葬を希望されるようになりました。
一方現実としては、見送る側も見送られる側も「高齢者」となり、遠くの親戚などは葬儀に呼ぶのが困難な状況となり、参列する人数も減少傾向にあることも、家族葬が増えてきた理由のようです。
◇家族葬のメリット/デメリット
家族葬には、前もって参列者の人数が把握できること、故人と親しい方々がゆっくりと故人との最後の時間を過ごせることなどのメリットがある一方、葬儀の後に参列できなかった一般の方が、頻繁に自宅に弔問に訪れ、遺族が気疲れをしたという声を少なからずお聞きします。
また、家族葬にしようと思っても、故人の職業、例えば学校の先生などは葬儀の参列者が多くなることが予想されますので、メリット、デメリットを良く考え、葬儀の規模を決めると良いでしょう。
「一般葬」と呼ばれる葬儀の場合は、近しい者だけではなく、参列者を招くことになりますので、参列者数は「家族葬」に比べ多くなります。また、故人の家族の会社関係者などが参列される場合は、容易に人数の予測がつかず、参列者の人数が把握しづらいと言えます。葬儀を規模(会葬者の人数)の点から考えると、家族葬は少人数で、一般葬は比較的多くの方が参列する葬儀と言えます。
まずは、「家族葬」で行うのか、「一般葬」で行うのかを決めておくことが肝要です。
Q2.みなさん、どの様な形式でお葬式を行っているのでしょうか。
A2.全国平均をみると、9割以上の方が仏式で葬儀を執り行っております。仏式とは、その家の宗派のお寺に読経して頂く葬儀です。仏式で執り行う際には、代々付き合いのある菩提寺を呼ぶケースと、お寺との付き合いがなく葬儀社からお寺を紹介してもらうケースに分れます。
その他の形式は、神式、キリスト教、友人葬などがあります。 また昨今では、無宗教式で行う方もいらっしゃいます。宗教を介さずに「自身の葬儀を自分で考える」そんな方が、徐々にではありますが増えているようです。
◇無宗教式とは
無宗教のセレモニーには決まった形式はありません。焼香の代わりに献花、読経の代わりに故人が好きだった音楽などを流す献奏、故人へのお別れの言葉などを、セレモニーに取り入れる方が多いようです。 他の形式とは違い、宗教者を呼ばない葬儀となるため、葬儀社と事前に入念な打合せが必要となります。
葬儀のことを考える際には、会葬者の人数等規模の面から「家族葬」にするのか、「一般葬」にするのか、また、葬儀の形式としては、宗教葬か無宗教葬かを決めることが必要です。故人がどのような葬儀を望まれていたかを遺族の方々がご存知であれば、その日を迎えたときでも、落ち着いて、故人の希望に沿った葬儀を執り行うことができますね。
コラム執筆者
株式会社ニチリョク 相続診断士
木村 宏之 さん
- ※掲載している内容は、2016年6月1日時点のものです。
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㈱ニチリョク勤務の相続診断士で葬儀のプロ。近年は、葬儀費用信託(心託)など、終活全般の窓口責任者として活躍。
※㈱ニチリョクは創業1966年。墓石業界初の上場企業(ジャスダック)。