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猫用ミルクとは?作り方や飲まないときの対処法、ミルクがないときの代用品も解説

寄り添う二匹の猫

猫用ミルクは水分・栄養補給をするために重要な役割を果たします。子猫・成猫・シニア猫用とさまざまな種類がある猫用ミルクは、猫の成長に応じて適量をあげることが大切です。

この記事では、猫の体質に合うように調整されている“猫用ミルク”と私たちがふだん飲む牛乳との違い、猫にミルクを与えるときのポイント・注意点などを詳しく説明します。

猫用ミルクとは?

猫用ミルクは、栄養補給や水分補給に役立ちます。子猫の食事として与えるのが主流ですが、成猫向けのおやつや健康ケアのためのミルクもあるため、必要に応じて適したものを選びましょう。また、猫用のミルクは私たちが飲む牛乳と比べると乳糖が少ないのが特徴です。

猫の年齢や用途に合わせて以下の3種に大きく分けることができます。

子猫の水分・栄養補給のためのミルク
生後1か月齢前の子猫を飼育する場合、食事はミルクになります。必要な栄養はすべてミルクから摂取するため、高たんぱく、高脂肪に栄養価が調整されています。
成猫の食事にプラス、おやつの代わりになるミルク
キャットフードをあまり食べない猫に与えたり、おやつとして与えたりするミルクです。ミルクは性質上たんぱく質や脂肪が多く含まれるため、肥満予防として低カロリーのものがおすすめです。
シニア猫の健康ケアのためのミルク
猫用のミルクは年齢のステージに合わせて成分が調整されています。シニアになり体を動かす時間が減ることで肥満気味になっている場合は、低脂肪のシニア用ミルクをおすすめします。また、腸内細菌を整えるミルクオリゴ糖配合で便通改善をサポートするミルク、関節炎ケアのためのコンドロイチンやグルコサミン配合のミルクなどもおすすめです。

猫用ミルクは粉末と液体の2タイプ!それぞれの違いとは?

猫用のミルクには粉末タイプと液体タイプがあります。ミルクを使う頻度や期間、猫の年齢など、与える状況によって使い分けましょう。ここでは2つのタイプそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

粉末タイプ
ミルクの量をその都度はかり、お湯に溶かして作るタイプです。手間がかかる点はデメリットですが、長期保存できること、必要な量だけ作れることがメリットです。子猫やシニア猫の食事としてなど、ある程度長期的にミルクを使用する場合は粉末タイプが便利です。
液体タイプ
液体タイプのミルクは、紙パックで売られていることがほとんどです。開封前は常温で保存でき、開封したら温めるだけで与えられるのがメリットです。一方、長期保存ができず、値段が比較的高い点はデメリットと言えます。長期的に与えるのではなく、たまに猫に与える場合は液体タイプがおすすめです。液体タイプのミルクは、一度開封したら冷蔵庫で保管しましょう。

猫に牛乳はNG!猫用ミルクと何が違う?

ひと口にミルクと言っても、私たちがふだん飲む牛乳と猫用ミルクには大きな違いがあります。牛乳には、乳糖と呼ばれる糖質が多く含まれています。この乳糖は、小腸でラクターゼと呼ばれる消化酵素によって分解、吸収されますが、猫はラクターゼを多く持っていません。牛乳を飲むと下痢や嘔吐を引き起こすことがあるため、猫にはあげないように注意しましょう。

猫には成分が調整されている猫用のミルク、つまり乳糖が少ないミルクを与えることが大切です。

猫用ミルクを作るときのポイント

ミルクを飲む猫

ここでは、子猫用のミルク(粉末タイプ)を作るときを例に必要な道具や作る際の注意点を説明します。作る手順や分量は、ミルクのパッケージに明記されている内容を参考にしましょう。

お湯とミルクの量を正確に計る

ミルクを与える量や回数は猫の年齢や体重によって異なります。購入したミルクのパッケージに明記されている1日の摂取量を1日に与える回数で割り、1回あたりどれくらいの粉末ミルクとお湯を使えば良いか計算しましょう。

子猫は特にお湯とミルクの量を正確に計算することが大切ですが、成猫は猫の好みに合わせて微調整しても大丈夫です。

お湯の温度に気をつける

粉末ミルクを溶かすお湯は一度沸騰させ、その後60度以下まで冷ましてからミルクと混ぜます。沸騰したお湯でミルクを溶かすと栄養価が下がり、また低温の場合はミルクが溶けづらくなるためです。猫に与えるときは人肌より暖かい温度(38~40度)までさらに冷ましてから与えます。ミルクが冷たいと飲まなかったり、子猫の体温が下がってしまったりするため、お湯やミルクの温度には注意が必要です。

作り置き・保存はしない

ミルクをあげるたびにお湯を沸かしたり冷ましたりするのは少し手間ですが、ミルクの作りおきや保存はしないようにしましょう。

これは、雑菌が繁殖したり、作り置きしたミルクが固まってしまったりするためです。ミルクを与える都度お湯に溶かして作り、飲み残したときは廃棄しましょう。

体重に応じて猫用ミルクの量と回数を変えよう

ミルクを飲む猫

猫にミルクを与える量や回数は、年齢や与える用途によって変わります。成猫やシニア猫の健康をサポートするために与える場合は毎食ごと、たとえば1日1~3回程度が良いでしょう。

子猫の場合はミルクが主食となるため、子猫の週齢に合わせて以下のような量と回数を目安にするのがおすすめです。パッケージに記載されている量や回数は参考にしながら、子猫が鳴いてお腹を空かせている素振りを見せたら、その都度臨機応変に対応しましょう。

子猫が眠っているときは基本的にそっとしておいたほうが良いですが、生まれて1週間経過していない子猫は2~3時間おきにミルクを与える必要があります。長時間ミルクを飲まないと低血糖を起こす可能性があるため、6時間以上起きてこなかったり1回の授乳量が少なかったりする場合は、子猫を起こしミルクをほしがるか確認しましょう。

子猫に与えるミルクの量と回数の目安

猫の週齢 1回あたりの量・回数
生後1周目(1日~7日) 1~10ccずつ1日に8~12回
生後2週目(8日~14日) 8~15ccずつ1日に4~8回
生後3週目(15~21日) 1日に4~6回
  • ※量はほしがるだけ与えて問題ないですが、与えすぎて嘔吐や下痢にならないようによく観察しましょう。

子猫にミルクをあげるときのポイント

子猫にミルクを与えるときは腹ばい(うつ伏せ)にします。子猫の後頭部を手でやさしく支え、哺乳瓶の乳口先端を口に45度の角度で斜め上から入れ、子猫がミルクを吸うしぐさが見られたら少量ずつミルクを与えます。

子猫がミルクを飲みながら空気を吸わないよう哺乳瓶は逆さにして乳口をミルクで満たして与えましょう。

子猫にミルクをあげる期間は?

子猫用のミルクは栄養価が高いため、いつまでも与えていると肥満になることもあります。そのため、生後3週齢が過ぎ、乳歯が生えてきたら、少しずつ時間をかけてミルクから離乳食へ移行していきます。ミルクから完全に離乳食へと切り替えるまでは1週間程度時間をかけましょう。

遅くとも生後8週齢までに離乳食に切り替え、生後10週齢になる頃には固形のキャットフードを食べられるようにしましょう。

ミルクから離乳食への移行時、離乳食を食べないときの対処法

ミルクから離乳食への切り替えは、時間をかけて行うことが大切です。それまで液体のミルクしか口にしていないため、離乳食をなかなか食べてくれない場合もあります。

急に食事を変えると下痢を引き起こすこともあるので、まずはミルクの中に少しだけ離乳食を入れて食べるかどうか確認し、徐々に離乳食の割合を増やしていきます。または、離乳食に粉ミルクを少し振りかけてあげても良いでしょう。

猫がミルクを飲まないときの対処法

毎日良いリズムでミルクを飲んでいても、ちょっとしたことが原因でミルクを飲まなくなることがあります。特に子猫やシニア猫の場合、6時間以上ミルクを飲まないときには体調が悪い可能性もあるため、動物病院を受診しましょう。

ミルクを飲まなくなったときは以下の対処法を参考にしてください。

猫用ミルクがないときに使える代用品はある?

寝転ぶ猫

猫には猫用のミルクを与えるのが一番安心ですが、必要なときにミルクを切らしている場合があるかもしれません。

ここでは、一時的に使えるミルクの代用品とその与え方について説明します。

スキムミルク

スキムミルクは牛乳から脂肪分と水分を取り除き粉末状にしたもので、脱脂粉乳と同じものを示します。一時的に猫用ミルクの代替としてあげることはできますが、脂肪分を含まず低カロリーのため、子猫の食事として長期的に与えるのは控えましょう。

スキムミルクは熱湯に溶けにくい性質があるため、ぬるま湯または水に溶かして使います。猫が下痢をするようであればすぐに与えるのをやめましょう。

無乳糖乳・低乳糖乳

乳糖を含まない「無乳糖乳」や、乳糖の含量が低い「低乳糖乳」であれば、一時的に猫に与えても問題ありません。これらの商品は、スーパーやコンビニでも購入できます。無脂肪(低脂肪)乳とは異なるため注意しましょう。

砂糖水(ブドウ糖液)

猫用ミルクの代用品として上記の2つがない場合は低血糖を避けるために砂糖水で代用できます。ただし、砂糖水だけでは十分な栄養がとれないので早めに猫用ミルクを用意しましょう。砂糖水を与える際にはお湯で適度な甘さになるように砂糖を溶かし、指やスポイトを利用して少しずつ口先を濡らすように与えます。

猫用ミルクは成長に応じて適量をあげよう!ミルクを飲まないときの対処法も知っておくと安心

猫用のミルクは人が飲む牛乳とは異なるため、必ず猫用のミルクを与えるようにしましょう。万が一、子猫がミルクを飲まなくなった場合はミルクの温度は適切かなどを確認してください。

子猫が何時間もミルクを飲まない場合は早めに病院へ連れていく必要があります。ミルクをあげた回数や睡眠時間などを記録したり、猫の様子を観察したりすることも大切です。

  • ※掲載している内容は、2022年9月6日時点のものです。
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