0120-63-1234 午前9時~午後7時(日・祝・休業日を除く)

大切なペットとの“いきいき”とした暮らしのために

犬猫お役立ち情報 ワンハッピーニャンハッピー

犬の生活

【獣医師監修】犬の熱中症の見分け方~もしもの際の応急処置や治療法、予防策を紹介~

人間と同じように、犬も熱中症にかかることがあります。熱中症は、体温上昇とともに脱水によって血液が濃縮し、血圧が低下します。悪化すると死亡や後遺症につながることもある非常に危険な病気です。この記事では、犬の熱中症の見分け方や病院に行く前の早期の応急処置など、熱中症から愛犬を守るための基礎知識を紹介します。

こんな症状があったら要注意!熱中症の代表的な症状

暑い季節に愛犬の様子がおかしいと感じたら、それは「熱中症」かもしれません。犬の平均体温は人間よりも高いものの、40℃を超えると危険な状態で、42℃超になると死の危険があります。

犬は体温が急上昇すると、体の熱を下げるためにパンティングと呼ばれる「ハァハァ」と激しい口呼吸をしますが、熱中症の初期症状ではパンティングが通常よりも速くなります。また、体温の急上昇とともに、以下のような症状がみられる場合は熱中症の可能性があり、すみやかな対処が必要です。

まずはこれらの症状がないか確認することが、熱中症を見分けるポイントとなります。また、このような症状が出る前にどのような状況にいたかも振り返りましょう。たとえば、次のような点を伝えられると、動物病院での診断の助けにもなります。

熱中症に対しては、初期症状に早く気が付くことが大切です。軽度の熱中症の場合は、下で紹介する応急処置によって体温を下げることで回復が期待できます。しかしすぐに回復した場合でも、動物病院に連絡を入れて、受診すべきかどうか獣医師の指示を仰ぎましょう。

さらに重篤化した場合の症状

以下のような症状がみられる場合は、熱中症が重症化した、一刻を争う状態です。

熱中症はなぜ危険?

熱中症が恐ろしいのは、時間が経つほど悪化していき、最悪の場合は命を落とす危険があるからです。さらに、対処が遅れると内臓や脳の機能障害などの後遺症につながります。

もしすぐに回復したとしても、体に受けたダメージによって、数日後に体の機能障害が出ることがあるのも熱中症の怖いところです。飼い主さんが軽度の熱中症だと判断しても、実際は目に見えないところで症状が起きていることもあります。診察を受けさせずに適切な処置や治療が行われないと大変危険なので、熱中症の症状がみられたら、獣医師に相談することをおすすめします。

まずは応急処置を!すぐに行うべきこと

愛犬に熱中症と思われる症状がみられたら、病院に連れて行く前に、できるだけ早い対処が必要です。まずは体を冷やすこと、もし水を飲むようであれば、水を与えることが応急処置になります。

「日陰」「水か氷」「風」の3つがポイント

応急処置で覚えておくべきポイントは「日陰」「水か氷」「風」の3つです。日陰で犬の体に水をかけるか、太い血管のある部分に氷をあて、さらに濡れた体に風を送ることで体を冷やします。

自宅で応急処置を行う場合は、風呂場や庭の日陰で水のシャワーを体にかけたり、氷のうを体にあてながら、扇風機やエアコン、うちわなどで犬の体に風を送るとよいでしょう。重症の熱中症は、脳が腫れて脳障害を引き起こすことがあるので、症状が重い場合は、脳のダメージを抑えるために氷のうを頭にもあてます。

散歩中などの外出時の場合は、水道が近くにない、氷が手に入らないなど、対処が難しいかもしれませんが、アスファルトなど地面が熱い場所を避けた涼しい日陰で犬を寝かせて、あれば水を含ませたタオルを犬に巻き、水をかけながら、風を送る方法が効果的です。

応急処置が済んだら、病院で受診を

熱中症は、できるだけ早く治療を行うことが重要なので、応急処置が済んだら自己判断はせずに、すぐに動物病院に連絡、受診が必要な場合は体を冷やしながら搬送することをおすすめします。

冷やし過ぎもNG

とはいえ、熱中症の応急処置を行う際、体を冷やし過ぎるのはNGです。肛門で体温を測る場合、平熱(38℃台)になるまで体温を下げると、その後も体温が下がり続け、体の冷えすぎが起こります。体が冷えすぎると、冷えた体を温めようと血管の収縮や「シバリング」と呼ばれる体の震えが起こります。これでは逆効果になってしまうので、水や氷を使う場合は注意しましょう。

熱中症を防ぐには?

熱中症を防ぐための最も大切な対策は、犬が熱中症にならないような環境を意識することです。ここからは、予防のための基礎知識を紹介していきます。

犬に適した温度・湿度は?

犬に適した環境は、室内の温度は25〜28℃、湿度は45〜65%だといわれています。必要に応じてエアコンや扇風機を使用し、室内の換気を行うなど、室温と湿度の調整を心がけてください。

ただし、愛犬が暑がるからとエアコンの設定を低くするのは注意が必要です。冷気は、室内の下側に滞留するので、温度が低すぎると、犬が体調不良を起こす可能性もあります。

外出時に知っておくべきこと

犬にとって、散歩は日常生活の中でも健康維持のために欠かせないものです。しかし、暑い季節の散歩や外出は、犬が熱中症になる可能性があるので注意しなければなりません。熱中症を予防するため、外出時は以下のことに気を付けましょう。

お散歩や外出は涼しい時間帯を選ぶ

夏の散歩は朝晩の涼しい時間帯に行くようにしましょう。一度、真夏日に舗装された道路のアスファルトを手で触ってみてください。驚くほど熱くなっているはずです。真夏の炎天下では、高い気温、強い日差しだけではなく、輻射熱(ふくしゃねつ)と呼ばれる、熱くなったアスファルトから放出される熱で、低いところはより温度が高くなっています。

靴も履かず、人間よりも低い位置を歩く犬は、より暑く厳しい環境で道路を歩くことになるので、外出時には、輻射熱についても頭に入れておかなければなりません。

犬の飲み物を持ち歩いて水分補給を行う

外出時は、脱水と熱中症を予防するために、水分補給のための犬用の飲み水を持ち歩き、必要であればこまめに飲ませるようにしましょう。応急処置の際に犬の体に水をかけるのにも役立ちます。また、うちわや扇子なども持っておくと安心です。

犬を車内に置いていかない
暑い日に犬と車で外出したときは、ちょっとの時間だからと車内に犬を置いたまま車から離れるのは絶対にやめましょう。エアコンの入っていない車内は、窓を開けていたとしてもサウナのように暑くなり、犬が熱中症になる危険があります。

外飼いの場合は日陰や換気を意識して

外飼いの場合、近くにいても常に愛犬の状態をみることはできず、体調の変化に気が付きにくくなるので、飲み水の交換を兼ねて2〜3時間に一度は様子をみるようにしましょう。外飼いの犬の最善の熱中症対策は、可能であれば犬を家の中の涼しい場所に入れてあげることです。

外飼いの犬が長い時間を過ごす犬小屋については、次のようなことに注意するとよいでしょう。

室内でも熱中症になる恐れも

犬の熱中症は、人間と同じ室内にいる場合でも起こる可能性があるので、予防のために室温や湿度を管理することが大切です。特に、換気や空調管理を行っていない夏場の部屋は、すぐに高温多湿状態になるので注意しましょう。

また、留守番時は、犬に適した室内環境(温度:25〜28℃、湿度:45〜65%)を維持して、いつでも水を飲める環境にしておきましょう。そのほかにも、大理石やアルミマットなどのひんやりグッズを使用するのもおすすめです。

熱中症になりやすい犬種はある?

犬の中には、暑さに弱い犬種もいます。犬種の特性をしっかり理解して熱中症予防を行いましょう。特に短頭種の犬や被毛が密な犬種のほか、下のような犬は熱中症になりやすいので注意してください。

短頭種
パグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、ペキニーズといった、鼻ぺちゃ犬と呼ばれるマズルの短い犬種は、熱い外気を取り込みやすく気道が狭いため、熱を下げるために行うパンティングの効率も悪いので、熱中症になりやすいです。
毛が長く、厚い
原産地がアラスカなどの寒い地方の犬種や、毛量の多いダブルコートの犬種は暑さに弱く、日本の気候では夏バテや熱中症になりやすい傾向があります。
毛色が黒い
黒い色の被毛を持つ犬は、日光の熱を吸収しやすいので体温が上がりやすくなります。外出時は、水に濡らして着用させるクールベストなどの熱中症対策グッズを使用するのもおすすめです。
気道狭窄と肥満
中高齢で、気管狭窄のある犬や肥満犬では、気道が圧迫されて呼吸がしづらくなるため、パンティングの効率も悪くなります。また、皮下脂肪によって体温が下がりにくくなるので、熱中症の予防として肥満にさせないように体重管理を行うことが大切です。
体力のない犬
体温調節が上手にできない子犬やシニア犬、心臓病や呼吸器系、腎臓疾患などの持病のある犬、夏バテ気味の犬など、体力のない犬は熱中症になりやすいので、飼い主さんがしっかりケアしてあげましょう。

まとめ

犬の熱中症は、重症化すると命を落とす可能性もあります。夏場の愛犬との過ごし方やお世話の工夫をして熱中症の対策を行いましょう。もし、愛犬が熱中症になったら、まずは慌てずに犬の体を冷やす応急処置をし、至急動物病院に連れて行きましょう。熱中症は、飼い主さんが犬の異変に早く気が付くこと、そして早く対処を行うことが大切です。

監修者プロフィール

獣医師:佐々木伸雄 先生

東京大学卒業後、同大学の獣医学科、動物医療センターで動物外科の教員として勤務。主な対象動物は犬、猫であるが、牛、馬なども診療。研究に関しては、動物の腫瘍関連の研究や骨の再生医療など。2012年3月、同大を定年退職。この間、日本獣医学会理事長、農林水産省獣医事審議会会長などを歴任。最近は、「高齢者にもっとペットを飼ってほしい」という趣旨で、NPO法人高齢者のペット飼育支援獣医師ネットワーク(VESENA)を組織し、活動中。

  • ※掲載している内容は、2019年8月27日時点のものです。
  • ※ページ内のコンテンツの転載を禁止します。

保険のお申し込みはこちら

0120-63-1234 午前9時~午後7時(日・祝・休業日を除く)