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お葬式・お墓の'いろは'

第6回 お墓選びの基本と最新事情

これまでの5回で「お葬式の'いろは'」をご紹介いたしました。お葬式の次は、お墓のことも考えておく必要があります。これから3回にわたり、「お墓の'いろは'」をご紹介してまいります。

日本人の心に脈々と受け継がれる、手を合わせるという文化。春秋のお彼岸やお盆にはお墓参りに行き、先祖供養を行っておられる方も多いでしょう。ではなぜ、皆さんはお墓参りに行かれるのでしょうか。お墓には、過去から現在へ、現在から未来へ繋がる「家族の縁(えにし)」の象徴的な役割があります。さらに、お墓は遺された人々が故人様と向かい合って手を合わせ、心の対話が出来る場所でもあるのです。

しかし、現状を見てみますと、お墓に対する考え方が変容してきているのも事実です。例えば、「先祖代々のお墓を継承する子供たちがいない」、「身体が不自由になり、お墓が遠くてお参りに行けない」、「菩提寺と代々お付き合いをしてきたが、子供たちに負担をかけたくない」など・・・ こうした現状を踏まえ、昨今では、お墓にもさまざまなタイプが出てきています。今回は、お墓選びの基本を踏まえた後、現代のお墓に関する最新事情をお伝えします。

Q1.お墓というと、お寺の墓地や、市町村が管理している墓地などがあることは分かるのですが、基礎知識として知っておくべきことを教えてください。

A1.昔はお寺の中にお墓がある光景をよく目にしたものですが、一般的にお墓は、大きく分けて次のように墓地の形態とお墓の形で区分されます。 墓地の形態は、お墓の経営主体で区分されていると覚えておくと良いでしょう。

区分 内容 特徴
境内墓地 お寺が寺の境内にて運営する墓地 お寺の檀家になるため、お寺が供養をしっかりとやってくれます。護持会費という管理費を支払います。また、お寺によっては寄付を求められる場合があります。
公営墓地 都道府県・市町村などの自治体が運営する墓地 一般的に管理費は安いものの、利用条件に制限があったり、競争倍率が高く、必要な時に購入できない場合もあります。原則お骨が無ければ申込み不可のところもあり、事前の申込はできません。
民営墓地 民間業者が運営する墓地(霊園) 公営と比較して管理費は高いですが、管理が行き届いています。原則的に宗旨、宗派を問わない霊園が多くなっています。

「お墓の形」では以下の通り3種類があり、写真は代表的なイメージです。

区分 内容 特徴
和型墓石 棹石(さおいし)が縦長のお墓:現在の主流の形 和型墓石
洋型墓石 棹石が横におかれたお墓:徐々に増えつつある形 洋型墓石
デザイン墓石 棹石の形がデザイン化されたお墓:個性的な形 デザイン墓石

Q2.最近、「自動搬送式納骨堂」や「樹木葬」と言った新しいタイプのお墓を耳にします。それぞれのお墓について教えてください。

A2.一般的なお墓とは異なり、最近はいろいろな名称で呼ばれている以下のようなお墓が増えつつあります。右の写真は代表的なイメージです。

区分 内容 特徴
合同供養墓 骨壺から出して1ヵ所にまとめて収蔵します。後から骨壺だけ取り出して移動することが、原則不可能となります。永代に祀って頂けます。 合同供養墓
樹木葬 一般的には、石の墓標の代わりに樹木を墓地に見立て、自然に還るという考えで樹木葬と呼ばれることが多いようです。ただし、明確な定義はありません。 霊園、墓地により定義が異なるので、どのような形をとっているのか、事前に確認しておくことが重要です。 樹木葬
納骨堂 骨壺のまま収蔵します。最近では一人用、夫婦用、家族用など様々なタイプがあります。使用期間が定められているものでは、1年毎に更新するタイプから、7年・13年・33年で合祀墓に収蔵されるものもあります。 納骨堂

(写真は自動搬送式納骨堂の例)

自動搬送式納骨堂 納骨堂の進化形にあり、一般墓と納骨堂の中間のようなタイプです。参拝スペースは共有で、供花、供物といったお供えはできますが、持ち帰りとなります。室内のため天候に左右されず、バリアフリーなど、お参りしやすいのも特徴です。

今回のコラムでは、お墓の区分、種類をご紹介しましたが、次回はなぜ樹木葬や納骨堂が注目されてきているのか、その背景をお伝えしたいと思います。

株式会社ニチリョク 相続診断士 木村 宏之さん

コラム執筆者

株式会社ニチリョク 相続診断士

木村 宏之 さん

㈱ニチリョク勤務の相続診断士で葬儀のプロ。近年は、葬儀費用信託(心託)など、終活全般の窓口責任者として活躍。
※㈱ニチリョクは創業1966年。墓石業界初の上場企業(ジャスダック)。

  • ※掲載している内容は、2016年11月1日時点のものです。
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