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お葬式・お墓の'いろは'

第7回 “一代限り”のお墓とは?

前回のコラムでは、最新のお墓事情ということで、お墓の区分や種類、形等をお伝えいたしました。昨今よく耳にする、合同供養墓・樹木葬・自動搬送式納骨堂などは、どのような背景で広く利用されるようになったと思いますか?その答えは「継承しなくてもよいお墓」がキーワードのようです。今回のコラムでは、最近のお墓の継承にまつわる事情についてお伝えします。

Q1.父のお墓が地方のお寺にあります。私は長男ですが、東京に出てきてもう何十年にもなります。地方のお墓は先祖代々から受け継がれてきたものですが、長男が継がなければならないのでしょうか。また、お墓を閉めることもできるのでしょうか。

A1.そもそもお墓を建てた土地は、自分が所有している土地ではなくお寺から永代に“お借りしているもの”です。このお墓は、継承者が続く限り受け継ぐことができますが、もし管理費(護寺会費)を支払う人がいなければ、お墓の土地をお寺にお返しすることになります。そのお寺が菩提寺であり、ご自身が檀家という関係であれば離檀(菩提寺と檀家の関係を解消すること)をして、建立されているお墓を撤去し更地にして、お寺に返さなくてはなりません。この流れを「墓じまい」、他の墓所へ移すことを「改葬(お墓の引っ越し)」といいます。

さらに、お墓は一昔前までは戦前の家を相続する名残で長男が、先祖代々の墓を引継ぐことが多かったようですが、今では必ずしも長男が継ぐ必要はありません。しかし、お墓を継続していく為には、必ずどなたかが管理費を納め、継承していかなければなりません。そのため親族での話し合いが大切となります。また、お寺によりますが、ご住職の承諾を得れば他人でも継承できる場合もあるようです。

一方で、お墓の利用を中止することもできます。「墓じまい」と言われ、昨今ではこの問い合わせも増えています。

※こうした「墓じまい・改葬」とも一連の手続きが必要となります。
その詳細は、次回のコラムでお伝えいたします。


Q2.お墓を継ぐ人がいなかった場合は、どのようになるのでしょうか。

A2.お子様やご親族も無く、お墓を継承する人がいない場合は、管理費が一定期間(一般的に3年間の管理費未納後、1年間の経過処置)未納となると、お骨はお寺の合祀墓に移動されることが一般的です。

このことは、各お墓、霊園などで契約の際に約款や利用規則に記載されておりますので、しっかり目を通しておきましょう。


Q3.私は、身内もなく世間で言う「おひとり様」ですが、こういった私に適切なお墓はあるのでしょうか。

A3.今は、お墓をあらかじめ継承しないことを前提(一代限り)に販売しているお墓があります。「永代供養の樹木葬や納骨堂」などがそれにあたります。最近では「一人用」「夫婦用」「家族用」などの様々なタイプが出ています。

ただし、永代供養と言っても、前もって13年間、33年間、50年間と使用期間が定められているものが大半で、その期間が経過すると合祀墓に合葬されることがありますので、大切なお骨がどのように扱われるか事前の確認が必要です。


これまでお墓の継承は、長男に受け継がれ、祭祀も墓守も長男主導で行われているのが一般的でした。しかし、田舎から都心への一局集中や少子高齢化、核家族化などの影響もあり、先祖代々のお墓を継承していくこともままならなくなってきています。おひとり様が増えてきた背景も、昨今の一代限りのお墓が必要とされる流れとなったようです。

また、「永代供養」と謳われていても、供養の期間が定められており、供養期間経過後は、骨壺を合祀墓に収蔵するものから、お骨を取出し散布するものなど、様々なタイプがあります。 まずは、霊園管理者や、お寺にしっかり確認をして、納得できるお墓選びをしましょう。

株式会社ニチリョク 相続診断士 木村 宏之さん

コラム執筆者

株式会社ニチリョク 相続診断士

木村 宏之 さん

㈱ニチリョク勤務の相続診断士で葬儀のプロ。近年は、葬儀費用信託(心託)など、終活全般の窓口責任者として活躍。
※㈱ニチリョクは創業1966年。墓石業界初の上場企業(ジャスダック)。

  • ※掲載している内容は、2016年12月1日時点のものです。
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