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医師が紹介する健康づくりのお話

第4回 血圧や体重を日々記録する習慣が、突然死の予防にもなる

東京国際クリニック 外科 大槻 穣治 医師

東京国際クリニック
外科

大槻 穣治 医師

■自分の体の状態を日ごろから把握しておくことの重要性

私は、各種マラソン大会等のスポーツイベントなどへ救護のためのドクターとして赴く機会があるのですが、一般の方が多く参加される大会では様々な事故が起こることがあります。急に具合が悪くなったり、重症のケースでは心肺停止になってしまった方もいました。そういう方は、たとえば大会の前日遅くまで仕事をして睡眠不足のまま参加していたり、そもそも長距離を走り慣れていない方だと、自分のコンディション(健康状態)をよく把握できていないことも多いのです。

スポーツをしない方であっても、日ごろから自分の体の様子をよく把握しておくことは大切です。たとえば、自宅で血圧を毎日測るだけでも、立派な健康管理です。たまに病院で測る血圧などは、必ずしも正確な血圧ではないと思ったほうがいいですね。最近では値段も手ごろな血圧計がありますから、そういうもので日々測るようにすれば、「今日はちょっと調子が悪いな」「いつもと違うな」と、いち早く気づくことができます。

■「かかりつけ医」を持ち、各種相談ダイヤルも活用しよう

それから、ちょっと具合が悪いなと思ったときに受診できる、自分や家族のことをよく知っている「かかりつけ医」を持ったほうがいいでしょう。何かあったときには、かかりつけ医から専門医へ紹介状を書いてもらうほうが、話も通りやすいからです。

また、ケガをしたとか、何か異物を飲んでしまった、という急を要する場合に備えて、「電話相談サービス」の番号をわかりやすいところにメモしておくといいですね。こちらの保険に付帯しているような「24時間無料電話健康相談」のようなサービスでも結構ですし、各都道府県の消防署などには自宅から近い医療機関を教えてくれるダイヤルが開設されていると思います。

「心配なことがあったら相談できる窓口」をいくつか知っておくことが大事です。

■もし、目の前で家族が意識を失ったら…?
「CAB」と「AED」と覚えておく

健康だと思っていても、重病や大ケガのリスクは思いのほか身近なところにあるものです。冬の寒い浴室やトイレで突然死を起こしてしまう「ヒートショック」や夏場の「熱中症」はよく知られるようになりました。アレルギーによる「アナフィラキシーショック」、家庭内での思わぬ転倒・骨折なども、場合によっては命にかかわります。

もし目の前で家族が突然倒れ、意識を失ったとしたら、まずは「CAB」と覚えておきます。救急車が到着するまでに、C=CIRCULATION(心臓マッサージ)、A=AIR(気道の確保)、B=BREATH(人工呼吸)…という順番で応急処置をやることで、蘇生率がだいぶ違います。(以前はA-B-Cと教えていましたが、現在では心臓マッサージを優先してC-A-Bとなりました)人工呼吸に抵抗があるなら、心臓マッサージだけでもいいのです。病気、ケガにかかわらず、意識がないならまずは心臓マッサージと覚えておきましょう。

これに加えて「AED」、除細動器が使えたら、心肺停止の方を蘇生できる可能性がだいぶ高まります。駅などの公共施設に設置されているのを見たことがあると思いますが、AEDは、意識のない方にパッドを貼りさえすれば、あとは機械が指示してくれますから簡単です。講習会などで使い方を知っておくといいですね。

■ごく身近なスポーツにも命にかかわる危険がひそんでいる

最近では、スポーツジムでも「ボクササイズ」といってボクシングを取り入れたメニューがあったり、学校で柔道の授業が必修となり上げられるなど、初心者が激しいスポーツに触れる機会が増えています。サッカーやラグビーなども人気ですね。こうしたスポーツで怖いのは「脳震とう」です。プロのスポーツ選手ですら死亡事故がおこることもあるのですから、一般の方々が取り組むなら、さらに注意が必要です。

脳震とうを起こした場合、本人はすぐ起き上がったり、「大丈夫、大丈夫」としゃべったりするので、まわりも軽く考えがちなのですが、足元がフラフラしていたり、ろれつが回っていなければ即時に横にならせて安静にしなければいけません。昔のラグビー部では「魔法のやかん」などと言って、頭や顔に水をかけてプレーに復帰させたものですが、症状が治まらないうちに競技を再開し、致命傷な受傷するセカンドインパクトを起こす可能性があり、脳震とうを起こした人に対して一番やってはいけないことです。

こうした知識をちょっと持っているだけで、命にかかわる事態を防げることも多いのです。

  • ※掲載している内容は、2016年2月16日時点のものです。
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