葬儀の準備に必要なことは?チェックリストや葬儀までの流れを紹介
自分の葬儀について、「どのような葬儀にしたいか」「誰を呼びたいか」など、理想がある方もいるのではないでしょうか。また、遺族の負担を軽減するためにも、生前にできるだけ葬儀の準備をしておきたいと考える方も、少なくないでしょう。
この記事では、生前に葬儀の準備をするためのチェックリストを紹介します。葬儀費用の備え方にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
葬儀を執り行うまでの流れ
葬儀の準備をするためには、まず葬儀を執り行うまでの流れを把握することが大切です。亡くなってから葬儀を執り行うまでの流れとして、一般的な仏式の葬儀を例に見ていきましょう。
■仏式の葬儀を行うまでの流れ
1. ご臨終・エンゼルケア・安置
病院で死亡が確認され、医師から死亡診断書を受け取ったら、遺族は葬儀社へ連絡をします。その後、看護師や葬儀社の担当者がエンゼルケアを行います。
エンゼルケアとは、遺体をきれいに整える死後処置のことです。一般的には、遺体を清潔な身体にするための全身清拭や、生前に近い状態で故人を見送るための死化粧などが行われます。エンゼルケアには、感染症の予防や遺族の心のケアといった目的も含まれます。
エンゼルケアを終えた後に行うことは、自宅または葬儀社の安置所などへの遺体の搬送です。葬儀の準備が整うまでは、適切な場所で遺体を安置しなければなりません。自宅や安置所のほか、斎場に直接搬送するケースもあります。
2. 近親者へ訃報を伝える
遺体を安置した後は、近親者への連絡を行います。確実に訃報を伝えるためには、電話での連絡が適しているでしょう。
3. 葬儀社との打ち合わせ・参列者への連絡
近親者への連絡を終えた後に行うのが、葬儀社との打ち合わせです。喪主を務める方を中心に、葬儀の日程や形式に加え、遺影として使う写真など具体的な葬儀の内容を決めていきます。その後、葬儀に参列してもらいたい方に葬儀の案内状を送ります。
4. 死亡届の提出
死亡が確認された際は、7日以内に死亡届の提出が必要です。死亡届が受理されると、火葬の際に必要な火葬許可証が発行されるため、葬儀の前に手続きを行わなければなりません。
死亡届の提出先は、故人の死亡地・本籍地または届出人の所在地の市区町村役場です。なお、死亡届の提出時は、故人が亡くなった際に医師から受け取る死亡診断書が必要です。
5. 納棺
葬儀を執り行う前に、納棺を行います。納棺とは、遺体を棺に収める儀式のことです。一般的には、通夜の前日か当日に、親族など身近な方たちだけで行われます。
納棺の際は、副葬品といわれる、故人が愛用していた品や遺族の思いが込められた品などを棺に納めます。副葬品は、基本的に燃えやすいものが対象です。たとえば、故人が好んでいた花や衣類のほか、故人に宛てた手紙などが挙げられます。メガネ、腕時計、アクセサリーなど、燃えづらく、火葬場の設備に影響を与えたり遺骨を損傷させたりするおそれがあるものは、副葬品として棺に納めることはできません。
火葬場や自治体によって、棺に納められる副葬品に決まりがあるため、事前に確認が必要です。
6. 通夜・告別式・火葬
納棺を終えたら、通夜・告別式が執り行われます。1日目に通夜、2日目に告別式・火葬を行うのが一般的ですが、葬儀の形式により、通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う場合もあります。
通夜は、灯明と線香の火を絶やさずに故人を見守る儀式です。遺族や故人と縁の深い方々が集まり、故人の冥福を祈ります。告別式は、故人と最後のお別れをする儀式のことで、参列者が焼香や献花などを行います。
生前にできる葬儀の準備
生前にできる葬儀の準備にはどのようなことがあるのでしょうか。葬儀を執り行うまでの流れを踏まえ、準備できることをまとめましょう。ここでは、生前にできる葬儀の準備について、チェックリストの一例を紹介します。
■葬儀の準備についてのチェックリスト
葬儀社を決めておく
生前にできる葬儀の準備の1つは、葬儀社を決めておくことです。葬儀場を見学したり予算を確認したりして、葬儀社を決めておくことで、ご自身が理想とする葬儀を執り行えるでしょう。
また、前述のとおり、死亡が確認されてから葬儀社に連絡をするまでにはあまり時間がありません。いざというときに遺族が慌てないためにも、葬儀社を決めておき、家族に伝えておくと安心です。
葬儀の形式を決めておく
葬儀の準備には、葬儀の形式を決め、家族に伝えておくことも挙げられます。葬儀の代表的な形式は、「一般葬」「家族葬」「一日葬」「直葬・火葬式」です。葬儀の内容に加え、日数、参列者の人数、費用などが異なるため、それぞれの特徴について確認しておきましょう。
一般葬
一般葬とは、家族をはじめとする親族のほか、友人や勤務先の関係者など、故人と縁のあった方が多数参列する葬儀のことです。基本的には、通夜と告別式の2日間に分けて執り行われます。
一般葬は、「華やかな葬儀にしたい」「葬儀には生前お世話になった方を幅広く招きたい」と考える方に適しているでしょう。ただし、ほかの形式に比べて参列者が多く、比較的大きな規模で執り行われるため、費用が高額になる傾向があります。
家族葬
家族葬とは、親族や親しい友人など、限られた方が参列する葬儀のことです。葬儀の基本的な流れは一般葬と変わりませんが、一般葬に比べて規模が小さくなるため、費用を抑えられる傾向があります。
親族や親しい友人など、故人に近しい方々だけで静かに見送ってほしい場合は、家族葬が最適といえます。
なお、家族葬の参列者に厳密な制限はありません。原則としては、葬儀の案内を出した方が参列します。
一日葬
一日葬とは、通夜を省略して告別式と火葬を1日で執り行う葬儀のことです。参列者の制限はありませんが、葬儀を2日間に分けて行う一般葬や家族葬と比べて、規模が小さくなるため、費用を抑えられる点が特徴です。また、1日で葬儀が完結することで、遺族の精神面や体力面の負担を軽減できるといったことも考えられます。
直葬・火葬式
直葬・火葬式とは、通夜や告別式を執り行わず、火葬のみを行う葬儀のことです。一般的に参列者は、10人程度が目安となり、家族やごく親しい友人のみとなります。斎場を借りる必要がないため、葬儀費用を大きく抑えられる点が特徴で、できるだけお金をかけたくないと考える方に適しています。
訃報を連絡する方をリストアップしておく
生前に行う葬儀の準備として大切なことの1つは、訃報を連絡する方のリストアップです。前述のとおり、家族が亡くなったとき、遺族は近親者に連絡をする必要があります。近親者の連絡先をリストアップしておくだけでも、家族が亡くなり、心労を抱える遺族の負担を軽減できるでしょう。
また、友人や勤務先の関係者など、近親者以外に訃報を連絡する方の連絡先をまとめておくことも大切です。訃報のみを伝えたい方と葬儀の案内状を送りたい方に分けて、リストアップしておきます。その際、遺族が混乱しないよう、名前や連絡先だけではなく、相手との関係性なども細かく記載しておくと安心です。
遺影の写真を撮っておく
葬儀の準備をする際は、遺影として使う写真も撮っておきましょう。ただし、すでに遺影として使いたい写真があれば、新たに撮り直す必要はありません。
事前に遺影を準備しておけば、自分が気に入っている写真を使えるだけでなく、遺族が遺影の写真を探す手間を省けます。
葬儀費用を備えておく
生前に葬儀の準備をする場合、費用についても考えておく必要があります。「自分の死後、家族に金銭的な負担をかけたくない」と思う方も多いのではないでしょうか。葬儀にはどのくらいの費用が必要か、把握しておくことも重要です。
SBIいきいき少額短期保険が行ったアンケートでは、葬儀費用の平均は約152万円という結果でした。
- 【アンケート調査の概要】
-
- 調査期間:2023年11月10日~11月17日
- 調査対象:全国の50歳以上の男女
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 有効回答数:1,019名
■お葬式にかかった総額費用
(ご自身又は近親者が、喪主としてお葬式を執り行った経験が「ある」と回答した方にうかがいます)
お葬式の費用は総額でどのくらいかかりましたか?[入力回答]
上図は、お葬式一式の費用のほか、飲食接待費、寺院への費用なども含む金額です。
葬儀費用は葬儀の規模や形式など、さまざまな条件によって大きく変動しますが、アンケートの結果から100万円以上の葬儀費用が必要になるケースが少なくないことがわかります。
遺される家族の経済的な負担を軽減するためにも、葬儀費用について備えておくことが大切といえるでしょう。
葬儀費用を準備する方法
葬儀費用を準備するには、貯金だけでなく、葬儀保険や互助会への加入が考えられます。それぞれどのように準備しておけばいいか確認しておきましょう。
貯金をしておく
生前に貯金をしていれば、そのお金を葬儀費用にあてられます。ただし、預貯金は口座名義人でなければ引き出せません。口座名義人が亡くなり、口座名義人の預貯金が遺産分割の対象となれば、遺産分割が終了するまで相続人が単独で払戻しを受けられない場合があります。
故人名義の預貯金を引き出すには、相続人が遺産分割協議書を作成したうえで所定の書類をそろえ、金融機関などの窓口へ提出しなければなりません。
なお、民法改正によって2019年7月1日から「遺産の分割前における預貯金債権の行使」が認められ、相続預貯金のうち一定額までは、金融機関などの窓口にて預貯金の払戻しができるようになりました。
払い戻しができる金額は「相続開始時の預貯金額(口座・明細基準)×1/3×払戻しを行う相続人の法定相続分」となります。ただし、同一の金融機関からの払い戻しの上限は、150万円です。
葬儀費用にあてたい預貯金がある場合は、引き落としに必要な書類をまとめ、家族に共有しておきましょう。
葬儀保険に加入する
葬儀費用を備える方法の1つとして、葬儀保険への加入も挙げられます。
葬儀保険とは、葬儀を執り行う際に必要な費用に備えるための保険のことです。少額短期保険(ミニ保険)の1つで、一般的な生命保険と比べて保険金が少額に設定されている分、安価な保険料で加入できる点が特徴です。
また、葬儀保険は、お墓を建てるための費用や当面の家族の生活費などにあてることも可能です。使途が限定されていない点は、葬儀保険の大きなメリットといえます。
互助会に加入する
互助会への加入も葬儀費用の備えになります。
互助会とは「冠婚葬祭互助会」のことで、経済産業大臣の許可を受けた事業者が行える会員制のサービスです。毎月掛金を積み立てることにより、会員やその家族は、葬儀や結婚式などの冠婚葬祭に関わるサービスを契約額に応じて受けられます。
なお、互助会は葬儀費用以外にもあてられる葬儀保険と異なり、葬儀費用のみをまかなうサービスとなります。
家族の負担を軽減するためにも葬儀費用を備えておこう
いざというときに家族に負担をかけないためにも、葬儀の準備についてできることを進めておきましょう。葬儀社を事前にリサーチしたり訃報を連絡する方をリストアップしたりするだけでも、葬儀を取り仕切る家族の負担を軽減できます。また、葬儀費用についても備えておくと安心です。
葬儀費用を備えるための選択肢の1つには、手ごろな保険料で万が一に備えられる、SBIいきいき少額短期保険の死亡保険があります。
SBIいきいき少額短期保険の死亡保険は、保険金定額タイプの保険で、たとえば54歳女性の場合、月々490円~と500円以下の保険料で加入できます。保険金は100万~600万円の6コースがあるため、葬儀費用として備えておきたい金額に合わせて加入コースが選択可能です。84歳まで申し込めることに加え、100歳まで継続できることから、60~70代の方を中心に人気があります。
加入者向けの付帯サービスとして、葬儀費用優待や相続サポート優待などもご用意していますので、葬儀費用に備えておきたい方は、加入を検討してみてはいかがでしょうか。
- ※本ページ上の保険の説明は、一般的と考えられる内容を掲載しています。個別の保険商品については、各保険会社の公式サイトをご確認ください。
- ※掲載している内容は、2024年11月18日時点のものです。
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