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いきいき生活の知恵

第9回 【高齢期のお金を考える会】
老後資金、“見える化”して使うべきときに安心して使おう

 この「いきいき生活の知恵」コラムではファイナンシャル・プランナー(以下、FP)の畠中雅子さんによる老後や年金生活に備えるアドバイスをご紹介しています。関心の高い高齢期のお金の使い方や考え方について、畠中FPが主宰する「高齢期のお金を考える会」会員5名のFPの方々からもアドバイスをいただきました。

 初回は、資産運用や共働き世帯のライフプラン、セカンドライフの生活設計の分野に詳しいFPの鈴木暁子さんに「人生100年時代」に必要な老後資金を“見える化”する方法を教えていただきます。

ファイナンシャル・プランナー 鈴木 暁子 さん

教えていただいた方

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

鈴木 暁子 さん

人生100年は決して他人ごとではない

 2020年7月31日の厚生労働省発表によると、2019年のわが国の「平均寿命」は男性81.41歳、女性87.45歳と前年比でそれぞれ0.16歳、0.13歳延びました。似たような言葉に「平均余命」がありますが、これはある年齢の人があとどれくらい生きるかを示したものです。
テレビ電話をする家族
 ちなみに80歳まで生きている人の平均余命は男性9.18年、女性12.01年なので、ほぼ90歳まで生きる可能性が高いことになります。さらに90歳まで生きたとすると、平均余命は男性4.41年、女性5.71年。もはや人生100年は大げさな話とはいえません。

足りているのに「使えない」残念なケースも

銀行とお金  多くの人が漠然と老後資金に対する不安を抱える中、以前「2,000万円必要」という具体的な金額が取り沙汰されたことで、いたずらに不安を増長させてしまったのではないでしょうか。老後資金の心配は「足りているのか」ということに尽きるのですが、大きな心配はないだろうと思えるケースでも、「長生きするかもしれないから」「医療や介護にどれくらいお金を使うかわからないから」と慎ましい暮らしをした挙げ句、亡くなったときに1,000万円以上の貯蓄が残っていたという方も少なくありません。

必要な老後資金とは、どれだけお金を使いたいかということ

困っている老夫婦  老後資金が心配というシニアの方々に、どれくらい心配なのかと尋ねると、大半の方が「具体的にいくらなのかわからないけれど心配」と答えます。つまりどれくらい不安かわからないことが不安にさせるのです。自分にとって必要な老後資金とは、自分が老後どれくらいお金を使いたいか、使う必要があるかで決まります。「平均的」とか「標準の」といった数字を自分に当てはめても意味がありません。とはいえ漠然と頭で考えてもなかなか思い浮かばないものです。

老後を3つに分けて考えよう

 そこで、まずは老後の生活をイメージしてみましょう。筆者は60歳以降を以下のとおり3つに分けて考えることをおすすめしています。なぜなら、ひとくちに「老後」といっても、60歳からの40年間で初期と終期では心身の状態が大きく異なるからです。

<エンジョイ期>
(60歳~75歳頃)
体力、気力のあるうちにやりたいことに挑戦。アクティブシニアとして良いお金の使い方を実践したい期間
<充実期>
(75歳~85歳頃)
身体の衰えが隠せなくなってくる。心身ともに健康でいられるようできるだけ社会や他人との接点を持ち、無理のない範囲で心身への刺激を与えたい期間
<完成期>
(85歳頃~)
「介護」が現実になりつつある時期。必要であれば公的なサポートや民間サービスなども利用。一方で認知症予防として積極的に外へ出ることも大切。シルバー向けサービスも活用して資金的に無理のないプランで楽しむ期間

予期せぬ支出は怖いけれど、予定どおりの支出は怖くない

通帳と年金手帳とほほえむ老夫婦  将来の生活をイメージしたら、具体的な支出を把握するためにおすすめしたいワークがあります。一般生活費とは別に、旅行や食べ歩き、趣味、家具・家電の買い替えなど、人生を楽しんだり快適に過ごすために、あるいは心身の衰えをサポートするために、少しまとまったお金が出ていく特別支出を洗い出すことです。「いつ」「何のために」「いくら」の三点を書き出します。

旅行に出かける老夫婦  筆者もシニア向けセミナーでこのワークを取り入れていますが、やはりエンジョイ期にやりたいことや支出が多い傾向にあります。健康で体力も気力もあるうちは、旅行やグルメ、趣味や友人との交流などにお金を使う場面が多いのでしょう。歳を重ねるにつれ体力や気力も衰え、それらに使う予算は減少していきます。一方、80代を過ぎると医療や介護の費用といった支出が発生します。寿命や心身の状態は個人差もありますし、厳密に予測することは不可能ですが、心身の変化に合わせて世代ごとの予算配分をイメージすることで生活設計をしやすくなります。

 この時点ではお金が足りるかどうか忖度する必要はなく、思いついた夢や希望をたくさん出しましょう。年金収入がベースとなる老後では、予期せぬ支出が家計に及ぼす影響が大きいため、多くの人は思い切ったお金の使い方ができません。でも、予定どおりの支出であれば、お金が出ていってもそれほどの不安にはなりません。将来の支出を予測するために、できるだけ多く洗い出すことが精度を高めるポイントです。

シミュレーションで確認して、潔くお金を使おう

 将来の支出を洗い出したら、一度家計をシミュレーションしてみましょう。希望どおりに実現するのが難しいようであれば、予算を控えめにする、時期をずらしてみるなどの調整で現実的な資金プランを作っていきます。譲れないものと譲歩できるものでメリハリをつけると、すべて希望どおりでなくとも満足感は高まります。

 このシミュレーションは、老後資金不足に早く気づき、対策を立てられるだけでなく、足りている人にとっては「どこまで使っても大丈夫か」という目安を知ることができます。使うべきときに使ってこそお金は生きますし、潔く使える安心感はセカンドライフを充実させることができるのではないでしょうか。

参考)厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」

ファイナンシャル・プランナー 鈴木 暁子 さん

教えていただいた方

鈴木 暁子 さん

FPオフィスNext Yourself代表
ファイナンシャル・プランナー(CFPⓇ)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー

【プロフィール】

企業、自治体、大学オープンカレッジなどで幅広く講師・講演活動を行う一方、ウェブ、新聞・雑誌での執筆、年間100件超の個人相談など精力的に活動中。TV・ラジオ出演、メディアへの取材協力多数。
資産運用、共働き世帯のライフプラン、リタイアメントプラン、セカンドライフの生活設計の分野を得意とする。「高齢期のお金を考える会」メンバー。
著書に『100歳まで安心して暮らす生活設計』(実業之日本社)など。

  • ※掲載している内容は、2021年6月1日時点のものです。
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