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【獣医師監修】猫が食べてはいけないもの一覧!危険な成分や食べてしまったときの対処法は?

ご飯の前でこちらを見上げる猫

私たちが日常的に食べるものの中には、猫にとって危険な成分が含まれているものが多くあります。中毒を起こし、命を落とす場合もあるため、猫が食べてはいけないものをあらかじめ知っておくことが大切です。

この記事では、猫にとって危険な成分が含まれる食べ物や植物の種類、それらを誤って食べてしまったときの対処法をご紹介します。

猫が食べてはいけないもの一覧

はじめに、猫が食べてはいけないものを一覧にまとめました。危険な成分が含まれるものを食べてしまうと、中毒を起こしたり場合によっては命を落としたりします。

猫用のフードやおやつ以外をあげる際には、猫が食べても問題ないものか確認することが大切です。

ジャンル 品目 危険な成分 あげてはいけない理由 猫への影響
フルーツ
・果物
ブドウ・レーズン 不明 中毒、腎不全 食欲低下、嘔吐、下痢、脱水
フルーツ
・果物
イチジク フィシン、ソラレン 中毒、アレルギー 口腔粘膜の荒れ、皮膚の痒み、発疹、下痢、嘔吐
フルーツ
・果物
パパイヤ パパイン アレルギー 口腔粘膜の荒れ、痒み、炎症
フルーツ
・果物
マンゴー カルドール アレルギー 口腔粘膜の荒れ、痒み、炎症
野菜類 玉ねぎ・その他のネギ類 有機チオ硫酸化合物 赤血球破壊、消化器障害、中毒 食欲低下、下痢、嘔吐、溶血性貧血
野菜類 アボカド ペルシン 中毒、消化器障害 食欲低下、下痢、嘔吐、呼吸困難
野菜類 ユリ根 不明 中毒、腎不全 食欲低下、嘔吐、下痢、痙攣
魚介類 生のエビ・カニなどの甲殻類 チアミナーゼ ビタミンB1欠乏症 食欲低下、歩行障害、麻痺
魚介類 生のイカ・タコ チアミナーゼ ビタミンB1欠乏症 食欲低下、歩行障害、麻痺
魚介類 生の貝類 チアミナーゼ、
ピロフェオホルバイドα
ビタミンB1欠乏症、光過敏症 食欲低下、歩行障害、麻痺、皮膚の炎症と痒み
肉類 生肉 病原性大腸菌、寄生虫 食中毒 嘔吐、下痢、腹痛、発熱
菓子・
加工品
ナッツ類 ペニトリウムA 中毒 嘔吐、下痢、腹痛、痙攣
菓子・
加工品
ビターアーモンド アミグダリン 中毒 嘔吐、下痢、腹痛、痙攣
菓子・
加工品
チョコレート テオブロミン 中毒 興奮、ふらつき、下痢、嘔吐
菓子・
加工品
キシリトール キシリトール 低血糖、肝障害 元気消失、沈うつ、嘔吐、痙攣
飲み物 緑茶・コーヒー・紅茶など カフェイン 中毒 嘔吐、下痢、腹痛、痙攣
飲み物 お酒 アルコール 中毒 嘔吐、下痢、腹痛、痙攣

以下では、それぞれについて詳しく解説していきます。

危険!猫の健康を害する成分が含まれている食べ物は?

ご飯を食べる猫

猫が食べてはいけないものにはどのような成分が含まれていて、どのような症状が出るのでしょうか。具体的な食べ物やあげてはいけない理由を知っておくと、食べさせてよいかどうか判断しやすくなるでしょう。

ここでは、猫にとって危険な成分を含む食べ物を分類ごとに詳しく説明します。

フルーツ・果物

ブドウ・レーズン

ブドウ・レーズンは皮や実を含め、猫が食べると中毒症状や腎機能障害が起こる可能性があります。原因は明確になっていませんが、食べると数時間以内に嘔吐や下痢といった中毒症状が表れ、最悪の場合は急性腎障害になり亡くなることもあります。
そのため、果実だけでなく、果汁が含まれるお菓子やジュース、食品は与えないようにしましょう。

イチジク

生、ドライ、ジャムのような加工の有無にかかわらず、猫がイチジクを食べると中毒症状が表れたり、皮膚や口腔内の炎症を起こしたりすることがあります。イチジクに含まれる以下の成分が悪影響をもたらすためです。

パパイヤ

パパイヤに含まれるパパインと呼ばれる酵素が原因で、猫がアレルギーを発症することがあります。完熟前の青いパパイヤには、パパインが特に多く含まれています。食べると口の周りや口腔内が痒くなりアレルギー症状を起こす可能性があるため注意しましょう。

マンゴー

マンゴーに含まれるカルドールという成分が原因で、口や口腔内に痒み、炎症などアレルギー症状が出ることがあります。カルドールは特にマンゴーの皮に多く含まれています。

野菜類

玉ねぎ・その他のネギ類

玉ねぎや長ネギ、ニラ、ニンニクなどのネギ類には、有機チオ硫酸化合物という成分が含まれています。猫はこの成分を分解できないため、摂取すると溶血が生じ、貧血、食欲の低下、下痢や嘔吐、血尿といった症状が表れます。

生の状態だけでなく、加熱された料理やネギ類が含まれる加工食品も同様に中毒症状を示すことがあるため、絶対に与えないようにしましょう。

アボカド

アボカドにはペルシンという成分が含まれています。この成分が毒性を示し、猫は食欲低下や下痢、嘔吐、呼吸困難などの症状を起こすことがあります。ペルシンはアボカドの果実以外にも葉や種子にも含まれています。

ユリ根

食用のユリ根は滋養強壮作用や免疫調整作用があるとされ、人にとっては健康によい食べ物とされています。しかし、猫が食べると中毒症状を起こし、元気がなくなったり食欲が低下したり、痙攣したりする可能性があります。また、急性腎障害になり命にかかわる可能性もあるため危険です。これは「ユリ中毒」と言われる症状ですが、ユリ根が猫に危険を与える成分は特定されていません。家庭でユリ根を調理する際には、必ず猫の手が届かない場所に保管しましょう。

魚介類

エビに顔を近づける猫

エビ・カニ・イカ・タコ

生のエビ、カニ、イカ、タコにはチアミナーゼ(ビタミンB1を分解する酵素)が含まれています。生の状態で猫に与えるとビタミンB1欠乏症になり、食欲低下、ふらつきや歩行障害、麻痺が起こる可能性があります。加熱すればチアミナーゼは分解されるため、ビタミンB1欠乏症になることはありません。ただし、これらの食品は消化に悪いので、加熱したものでも猫に多量に与えるのは避けたほうがよいでしょう。

貝類

生の貝は、食中毒やビタミンB1欠乏症を引き起こすことがあるため、猫に与えないようにしましょう。特にアワビ、サザエ、トコブシにはピロフェオホルバイドαという成分が含まれています。これが原因で猫は光過敏症となり、皮膚に炎症や痒みが出たり、場合によっては壊死を起こしたりする可能性があるため危険です。

貝類の中でも、ホタテの貝柱(それ以外の部位は与えない)、ハマグリ、カキ、アサリは加熱したものであれば少量を食べても危険ではありません。しかし、消化不良になることもあるので、猫に与える場合はしっかりと加熱処理されている市販のフリーズドライや加工品を選ぶと安心です。

肉類

猫は肉食動物のため、加熱または加工されているものであれば肉類を与えても問題ありません。ただし、生の豚肉や鶏肉は食中毒を引き起こすサルモネラ菌や大腸菌などが増殖していると危険なため避けましょう。また、豚はトキソプラズマという原虫に感染している可能性があり、人や猫が生で食べるとトキソプラズマ症という重大な病気になる恐れがあります。

菓子・加工品

ナッツ類

ピーナッツやマカダミアナッツ、アーモンドなどのナッツ類は猫の健康を害する恐れがあります。ビターアーモンドに含まれるアミグダリンや、多くのナッツ類に含まれるペニトリウムAという成分を摂取すると中毒症状を起こすことがあります。ナッツ類は与える量や種類によっては、必ずしも中毒を起こす食品ではありませんが、脂質が豊富で肥満の原因にもなるため、猫に常に与え続けるのは避けたほうがよいでしょう。

チョコレート

チョコレートに含まれるカカオにはテオブロミンという成分が含まれています。猫は体内でテオブロミンを分解するのに時間がかかるため、摂取すると中毒になり興奮、ふらつき、下痢や嘔吐などの症状が見られるようになります。そのため、カカオが含まれるココアも同様に注意が必要です。チョコレートやココアが使われているお菓子やパンなども与えないほうがよいでしょう。

キシリトール

猫がキシリトールを摂取すると、体内で血糖値を下げる働きがあるインスリンの分泌が促進されます。その結果、低血糖になり吐き気、嘔吐、痙攣などの症状が表れることがあります。キシリトールはわずかな量でも猫が低血糖を引き起こす可能性があるため危険です。キシリトールが含まれるガムや歯磨き粉などの保管には注意しましょう。

飲み物

緑茶・コーヒー・紅茶など

緑茶、コーヒー、紅茶にはカフェインが含まれています。カフェインには興奮作用があり、猫が摂取すると中毒症状や痙攣、呼吸促拍、嘔吐などを起こす可能性があるため危険です。また、緑茶には尿路結石症の原因となるシュウ酸が含まれているので、常飲させないほうがよいでしょう。

さらに、コーラなどの清涼飲料水やエナジードリンクなどにもカフェインが含まれているため、水や猫用以外の飲み物を与える際には成分をよく確認する必要があります。

お酒(アルコール)

猫は肝臓でアルコールを分解できないため、少量でも摂取すると、体に異変を起こすことがあります。アルコールの入った飲み物を誤って口にすると、中毒となって意識を失ったり、最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。

そのため、アルコールが含まれている食品や調理の過程でお酒が使われている料理も注意が必要です。また、食品だけでなく手指に使う消毒液、除菌用シートなどのアルコールが含まれている商品も猫の手の届かない場所で保管しましょう。

猫は食べ物だけでなく植物や花にも注意

花の前にいる猫

食べ物だけでなく、猫にとっては毒性を示す危険な植物も多く存在します。部屋に観葉植物や花を飾る前に、猫に危険性がないか確認してから購入するようにしましょう。

猫にとって危険な植物の種類と代表的な品種は以下のとおりです。

植物の種類 代表的な植物の名前
ユリ科 ユリ、チューリップ、ヒヤシンス、スズラン、ホトトギスなど
ツツジ科 ツツジ、サツキ、シャクナゲ、アザレアなど
キンポウゲ科 アネモネ、ラナンキュラス、クリスマスローズ、クレマチスなど
バラ科(スモモ属) モモ、ウメ、リンゴ、桜、ビワなどの種子・葉・熟していない実

植物は花や実だけでなく、葉や茎、根なども猫に害を及ぼす成分が含まれていることがあります。さらに、鉢の中の土や肥料、薬剤の入った花瓶の中の水も猫に危険をもたらす可能性があることから、部屋に植物を置く際には、猫がいたずらしないよう、配置場所に気を配りましょう。

猫が食べてはいけないものを口にしてしまったときの対処法

危険な食べ物を猫が口にしてしまったときは、できるだけ早く動物病院に連れていきましょう。食べた量が少しで、すぐに症状が見られなくても、軽視せずに病院で適切な処置を獣医師から受けることが必要です。

また、その際には猫が食べたものや量、食べた時間などをわかる範囲で病院に伝えられるようにしましょう。

猫が食べてはいけないものの取り扱いに注意しよう!

食べ物や植物など、猫が食べてしまうと命の危険にかかわるものは意外と多くあります。少量でも口にすると危険な場合もあるため、猫に与えてはいけないものや危険な成分を知っておくことが重要です。また、食品の管理方法・保管場所を今一度見直してみることをおすすめします。猫は戸棚を開ける方法を覚えられるので、猫にとって危険な食べ物の保管場所には鍵をかける、チャイルドロックを取り付けるなどの工夫をする必要があります。部屋に飾る植物の種類も再度確認してみましょう。

獣医師:佐々木伸雄 先生

監修者プロフィール

獣医師:佐々木伸雄 先生

東京大学卒業後、同大学の獣医学科、動物医療センターで動物外科の教員として勤務。主な対象動物は犬、猫であるが、牛、馬なども診療。研究に関しては、動物の腫瘍関連の研究や骨の再生医療など。2012年3月、同大を定年退職。この間、日本獣医学会理事長、農林水産省獣医事審議会会長などを歴任。

  • ※掲載している内容は、2022年11月22日時点のものです。
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