0120-63-1234 午前9時~午後7時(日・祝・休業日を除く)

大切なペットとの“いきいき”とした暮らしのために

犬猫お役立ち情報 ワンハッピーニャンハッピー

犬の生活

【獣医師監修】犬の皮膚病~気になる症状と原因を解説!~

足を噛む犬

犬の皮膚病は、動物病院での受診数も多く、かゆみや赤み、脱毛など、さまざまな症状がみられます。症状から考えられる病名と主な原因、かかりやすい犬種について解説します。
また、犬の皮膚病は日常の環境が悪化させていることも。生活上の注意点のほか、皮膚病は治るの?人間にうつることは?そんな心配事にもお答えします。

皮膚の症状から考えられる病名~原因と治療方法~

犬の皮膚病にはたくさんの種類があり、遺伝的要因や犬種の特性によってかかりやすいものもあります。また、犬の体に常在する菌や日常的に接している寄生虫によって起こる場合もあります。

愛犬がずっと体をかゆがる、引っ掻く、舐める、噛むなどしている場合は、皮膚に異変がある可能性が高いので、全身をチェックしましょう。ふだんからの観察が大切です。

多くの皮膚病は、早めに処置すれば重症化や慢性化を抑えることができます。気になる行動をしていたら、早めに対応をしましょう。

では、動物病院に連れて行くべき皮膚病とそれぞれの症状、原因についてご紹介していきます。

【膿皮症】ニキビのような赤い発疹やかゆみ、かさぶたが特徴

膿皮症は、犬の皮膚病の中でも多くみられます。皮膚のバリア機能や免疫力が低下することで、もともと皮膚に常在している黄色ブドウ球菌などが皮膚に侵入、増殖して細菌感染を起こします。

膿皮症になると、かゆみを伴い、皮膚にニキビのような赤いポツポツした湿疹や皮膚内部から盛り上がるような湿疹、フケ、黒いかさぶた、抜け毛などがみられます。全身で起こりますが、内ももや脇、お腹に症状が出ることが多いです。

治療には、抗生物質や殺菌薬を含有する薬用シャンプーが使われます。

【皮膚糸状菌症】赤みを伴う皮膚の炎症とフケ・脱毛が特徴

皮膚糸状菌症は、カビの一種である糸状菌が皮膚に侵入し増殖することで、炎症を起こします。犬の顔面や足先、体に皮膚の赤みを伴う発疹や脱毛、フケ、かゆみなどの症状が現れます。

糸状菌は、動物の被毛や皮膚を栄養源にするといわれ、人にも感染し、発疹や円形脱毛症を起こすことがあります。

治療には、抗真菌薬や薬用シャンプーが使われます。また、掃除を徹底して、生活環境を改善することも必要です。

【マラセチア皮膚炎】皮膚のベタつきやフケ、脱毛、皮膚が厚くなる、かゆみが特徴

マラセチア皮膚炎は、カビの一種であるマラセチアが原因となります。マラセチアは、もともと犬の皮膚に常在している真菌で、皮膚のバリア機能や体の免疫機能が落ちたとき、アトピー性皮膚炎や脂漏症など皮膚の病気にかかっているときに、菌が異常繁殖をして引き起こします。

犬が異常にかゆがり、耳や口周り、あご、内もも、足先、脇などにベタつきがみられます。また、独特なにおいがすることもあります。ベタつきの原因である皮脂を栄養にして状態が悪化するので、抗真菌薬の投与や菌の増殖を防ぐために薬用シャンプーを使用した薬浴も効果的です。

【アトピー性皮膚炎】アレルギー反応によって繰り返し起こる強いかゆみや赤みのある炎症が特徴

アトピー性皮膚炎は、アレルギー性皮膚疾患の一種で、ダニやハウスダスト、花粉、カビなどの環境中のアレルゲン物質に対してアレルギー反応を起こします。遺伝的な素因が関与するといわれていて、ほかの犬にうつることはありません。強いかゆみと赤みを伴う炎症が顔や足先、お腹、肛門周り、脇などに繰り返し起こりやすいのが特徴です。

かゆみから常に掻く、舐める、噛む、地面に体をこするといった行動がみられ、脱毛や皮膚が厚くなったり、色素沈着が起こることがあります。多くは、生後半年から3歳程度の若い時期に発症し、生涯長く付き合っていく必要のある皮膚病です。ステロイドや免疫抑制剤、抗ヒスタミン剤の投与のほか、塗り薬の使用や薬用シャンプーを使うなどのスキンケア、減感作療法が行われます。

【角化型疥癬】激しいかゆみを伴い赤みやフケがみられる皮膚炎

疥癬はヒゼンダニの寄生による激しいかゆみを伴う皮膚病で、角化型疥癬とアレルギー型疥癬(通常疥癬)があります。

角化型疥癬では、皮膚機能が整っていない子犬や免疫抑制剤で治療中の犬など、皮膚のバリア機能や皮膚の免疫が弱い場合に発症することが多いです。

激しいかゆみによって、犬が自分の体を掻き壊してしまったり、毛をむしり取ったりするなどの行動や分厚く硬いフケが出るなどの特徴がみられ、耳やひじ、かかと、お腹などに症状が出やすい傾向があります。

多頭飼いの場合、1頭の犬に症状が出ていたら、すべての犬の検査を受けるとよいでしょう。治療は駆虫薬の投与や薬用シャンプーを使用した薬浴が行われます。また、疥癬は人間にもうつるため、愛犬が疥癬と診断され、かゆみを感じる場合は、人も病院を受診することをおすすめします。

【甲状腺機能低下症】ホルモンが原因で起こる全身症状と慢性的な抜け毛やフケが特徴

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下することによって起こります。

甲状腺ホルモンは、身体の代謝を促進するホルモンのため、低下すると活力がなくなる、悲しい顔をする、寝ている時間が増える、元気がない、食事の量に対して太りやすいなどの全身症状がみられます。

皮膚の異変としては、かゆみを伴わない体の左右対称の脱毛、ベタつき、フケ、色素沈着、毛ヅヤが悪い、カットした箇所から毛が生えにくいなどの慢性症状が現れます。

治療は、甲状腺ホルモン剤の投与を継続して行います。

【ノミアレルギー性皮膚炎】激しいかゆみと炎症・脱毛などが起こり、皮膚の状態が悪化しやすい

ノミアレルギー性皮膚炎は、犬が体に寄生したノミに刺された際にノミの唾液に含まれるタンパク質などに対して反応を起こす皮膚炎です。

かゆみを伴う赤いポツポツとした発疹がみられ、主に腰や尻尾の付け根を中心に激しくかゆがります。

体を掻き壊す、噛む、舐める、毛をむしるといった行動がみられ、急激に炎症が進行することもあります。
その場合は早急に動物病院を受診し、駆虫薬やステロイド、抗ヒスタミン薬での治療を受けてください。定期的に予防薬を使い、事前に寄生を防ぐことが肝心です。

【外耳炎】耳をかゆがり、耳介の赤み、真っ黒な耳垢や悪臭などが特徴

外耳炎は、耳の外耳道や耳介部分に起こる炎症です。黒い耳垢や赤み、悪臭、耳の付け根を触るとグチュグチュと音がするといった症状のほかに、犬が耳や頭を振る、耳をかゆがって掻く、床にこすり付ける、耳を触られるのを嫌がって逃げる、攻撃的になるといった行動がみられます。

主な原因は、草の種子などの外的な刺激、耳ダニ、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、免疫力の低下、腫瘍などが挙げられます。重症化すると、中耳や内耳にも炎症が及ぶ可能性があります。耳の洗浄と点耳薬、抗菌薬投与などで治療しますが、重症の場合、時に手術が必要です。

  • ※実際に当社へご請求があった治療費用例です。
  • ※治療の平均や水準を示すものではありません。
  • ※動物病院によって、治療項目や金額は異なります。

皮膚病を誘発する主な原因と対策

布団の上にいる犬

犬の皮膚病の原因は多様ですが、環境的な要因によって発症する場合も多く、家の中の清掃、皮膚を清潔に保つことなども大切です。また、犬が体をかゆがっていないか、脱毛や炎症が起きていないかなど、よく観察しましょう。以下に飼い主さんが気を付けることや異変に気が付いたときの対策を解説します。

体温の調節

犬の皮膚には、体温調節機能の役割があります。特に夏場の暑い季節は、体温が高くなるだけでなく、蒸れて皮膚病の原因となりやすいので、室内であればエアコンを使用し、屋外であれば涼しい場所で過ごせるよう環境を整えてあげましょう。

乾燥のケア

皮膚が乾燥すると、バリア機能が低下し、皮膚病を起こしやすくなります。乾燥が気になる場合は、セラミドやヒアルロン酸を含んだ保湿力のあるシャンプーや入浴剤を使用して、皮膚の水分を保ちバリア機能を整えましょう。

ストレス

犬は、お留守番などつまらない時間の退屈しのぎや、気持ちを落ち着かせるために体を舐めることがあります。目を離している間に足先がよだれで濡れている、いつも体を舐めていて一部の毛が赤く変色しているといった場合は、ストレスが原因の可能性があります。分離不安などの症状がないか、犬が落ち着いて過ごせる環境が整っているか、日ごろ愛犬とコミュニケーションを取れているかを見直してみましょう。

舐める、噛む、引っ掻くといった行動をしてほしくない場合は、エリザベスカラーやエリザベスウェア(保護服)の着用で患部の悪化を防ぐことができます。

害虫、寄生虫

犬の皮膚病はノミ・ダニなどの害虫やヒゼンダニ・毛包虫などの寄生虫によって起こることがあります。

ノミやダニは夏から秋に多いと思われがちですが、気温が13℃以上になると活動することから、真冬の屋外を除くと室内ならほぼ1年中生息しています。定期的な予防を行うことが大切です。

アレルギー要因

アレルギーの主な要因は、食物やノミ、ハウスダストなどです。

掃除を徹底してハウスダストを減らす、獣医師に相談し、アレルギー対応のドッグフードや手作りご飯を与えるなど、原因を排除することが大切です。

洋服を着せたり薬用シャンプーで定期的な薬浴を行ったりするのも効果的です。

栄養素バランス

皮膚のバリア機能を高め、健康な状態を維持するには、皮膚に必要な栄養素をバランスよく摂取することも大切です。
消化しやすいタンパク質やビタミンB群、ヒスチジン、ビタミンA、ビオチン、亜鉛、銅、オメガ3系不飽和脂肪酸、オメガ6系不飽和脂肪酸、微量ミネラルなどを積極的に取り入れるようにしましょう。

皮膚や被毛のケアに特化したサプリメントを使用するのも1つの手です。

心配事Q&A~治らない?人間にうつるの?

ソファで犬を抱える女性

ここからは愛犬の皮膚のお悩みについて、よくある質問をご紹介します。

皮膚病は一度発症したら治らないのですか?

愛犬の皮膚病が治るのか、不安を感じる飼い主さんは多いと思いますが、治療によって完全に治癒できる皮膚病もあれば、定期的にシャンプーを行って皮膚を清潔にすることや投薬・外用薬でコントロールできる皮膚病もあります。

しかし、アトピー性皮膚炎などは生涯付き合っていく必要があります。遺伝や体質的な要因、ほかの病気が要因になっている場合など、治りにくいケースがあることも知っておきましょう。

人間にうつることはありますか?

犬の皮膚病の中には、人にうつる皮膚病とうつらない皮膚病があります。例えば、ノミが犬の体に寄生している場合は、人もノミに刺されて皮膚炎を起こすことがあります。また、カビが原因となる皮膚糸状菌症では、犬から人にうつって脱毛などの症状がみられ、ヒゼンダニが原因となる疥癬では、人にもかゆみが生じる場合があります。

人間の薬を塗っても大丈夫?

犬の皮膚病に人間用の外用薬を使うと、症状が悪化したり、犬が舐めた際に中毒や副作用を起こしたりするなど体調不良の原因になることがあるので、自己判断で使用してはいけません。

まずは、かかりつけの動物病院を受診して、検査や診断をもとに処方された薬を愛犬に塗りましょう。

犬の皮膚病は飼い主の観察と早めの対応が大切!

犬の皮膚病は、愛犬のかゆがる様子や体を舐めたり噛んだりする様子、フケ、かさぶた、皮膚の変色、炎症がある、換毛期でないのに毛が抜ける、部分的な脱毛が起こる、といったことから飼い主さんが異変に気が付くことができます。

日々のブラッシングや耳のケア、定期的なシャンプーに加えて、犬が気にしている部分がないかをふだんから観察することが大切です。

もし愛犬の皮膚病に気が付いたらそのままにせず、動物病院を受診して早く治療を受けることで、かゆみによるストレスや皮膚の二次感染、重症化を防げるでしょう。

皮膚は「最大の臓器」とも呼ばれ、愛犬の健康状態を示すバロメーターになります。皮膚の健康維持は、愛犬の健康管理にもつながります。

監修者プロフィール

獣医師:佐々木伸雄 先生

東京大学卒業後、同大学の獣医学科、動物医療センターで動物外科の教員として勤務。主な対象動物は犬、猫であるが、牛、馬なども診療。研究に関しては、動物の腫瘍関連の研究や骨の再生医療など。2012年3月、同大を定年退職。この間、日本獣医学会理事長、農林水産省獣医事審議会会長などを歴任。最近は、「高齢者にもっとペットを飼ってほしい」という趣旨で、NPO法人高齢者のペット飼育支援獣医師ネットワーク(VESENA)を組織し、活動中。

  • ※掲載している内容は、2021年2月1日時点のものです。
  • ※ページ内のコンテンツの転載を禁止します。

保険のお申し込みはこちら

0120-63-1234 午前9時~午後7時(日・祝・休業日を除く)